クラウドを見据えた展開
さらなるストレージの需要喚起も

糸賀　「『EMCは高機能、高信頼だが高価』というイメージを覆し、新製品でパートナー様と共にミッドレンジ、エントリー市場に展開していきます」

河南　「お客様目線で物事を解決するためのソリューション提案に注力し、パートナー支援も全社的に強化しています」

宮坂　「昨年はiSCSI製品が好調でした。どんな要求にも応えられる豊富なラインアップには自信があります」

中山　「古くからお付き合い頂いているパートナー様は財産。ストレージも簡単に効率よく販売していただける仕組みを用意します」

　──2010年は各社とも「好調」とのことですが、どのような施策を打ってこられたのでしょうか。

　宮坂（HP）　ヒューレット・パッカードは「インスタントオンエンタープライズ」というビジョンを掲げておりますが、これは「お客様、パートナー、社員の求めるものを瞬時に、いつでも、どこででも、求められるどのようなチャネルを通じてでも、サービスとして提供することができる」ということを示しています。

　現在のIT市場は、クラウドに向かっています。最終的なゴールは、リモートにある完全に自動化されたデータセンタだと思います。そのため、現在のシステムを先ずパブリッククラウドにするのか、あるいはプライベートクラウドにするのかなど、検討する動きが活発化しています。そこで当社では、ITの最適化をお客様とともにやっていきましょうというメッセージを打ち出し、お客様が必要なソフトウェア、ハードウェア、サービス、サポートなどをまとめて提供するソリューションを強化しました。

　国内のストレージ市場ではパートナービジネスが圧倒的に大きいため、昨年はこれまで構築してきたパートナー企業との関係をベースに、パートナー企業を育てながら付加価値ポイントを一緒に見つけるなど、さらに協調関係を強化しました。その結果、iSCSI製品のパートナービジネスが爆発的に伸びています。

デル 河南 敏氏

　河南（デル）　当社のミッションは、ソリューションを組み合わせてお客様の課題解決をすることだと考えています。そのために、「EqualLogic」に代表されるiSCSI-SANはもちろん、FC-SANストレージも強化しました。また、自社ブランドの「PowerVault」を使ってSMBへの浸透度を高めるアプローチも行ってきました。ストレージだけではなく、サーバやネットワークもカバーしたトータルなソリューションを活かして、お客様目線で物事を解決するための提案に注力しています。

　デルは、昨年、エンドユーザー様やパートナー様を一堂に会するユーザーフォーラムを開催し、エンドユーザー様やパートナー様からさまざまなメッセージをいただきました。この時にいただいたメッセージが、今後のデルの方向性に大きなヒントを与えるでしょう。今後も、パートナー様やユーザー様とのこういった機会を設けながら、ビジネスを活性化してゆきたいと考えています。

　中山（NEC）　当社はサーバーも一緒に展開していることもあり、サーバー仮想化を軸とするサーバー統合が伸びています。大規模な話が多いですが、3～5台のサーバーを統合したいという小規模な商談も数が増えています。これまでストレージを使わなかった企業にも、「Dシリーズ」や「Eシリーズ」などのストレージ利用が広がり、好調要因の一つとなっています。

　また、新たに投入した大容量のコンテンツ保存に適した「Neシリーズ」やバックアップ向けの「HSシリーズ」なども好評です。一般的に、データベースにおいて「重複除外」は効果が出にくいと思われていますが、当社製品はオラクル様と一緒に実証を行った結果、バックアップ時間の短縮に有効であるということがわかりました。

　パートナー様に関しては、売りやすい環境を構築するために標準構成を用意し、ツール類の整備を進めてきました。ストレージの技術者育成の支援制度を多くのパートナー様にご利用いただき、裾野は広がっていると実感しています。

　糸賀（EMCジャパン）　当社も、お客様がクラウドに進む支援をしており、お客様が仮想化を推進される中で当社製品の導入を進めていただいております。

　ミッドレンジ、ローエンド製品ではパートナー様と協調したプロモーションを積極的に推進し、多くのお客様への導入が進んでいます。

　また、重複除外の機能を持ち圧倒的なシェアを頂戴しているバックアップ製品 （Datadomain製品、Avamar製品）の導入が急速に進んでいます。

　新しい動きとしては、当社がいち早く実装を実現し提供を開始しました階層化ストレージの導入が進んできており、ハイエンドはもちろん、ミッドレンジでも実績が上がってきています。

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