Special Issue

日本IBM 2011年はミッドレンジの領域に期待

2011/04/28 19:55

週刊BCN 2011年04月25日vol.1380掲載

 今回、スケジュールの都合であいにく座談会に参加できなかった日本IBMだが、ほかのストレージベンダー同様、昨年の市況感は好調に推移したという。後日、同社への個別取材が実現したので、ストレージ座談会と同じく、日本IBMがどのような戦略を展開して拡販してきたのかについて、同社のシステム製品事業・ストレージ事業部営業推進担当の五島啓氏に話を聞いた。

→ストレージメーカー座談会の記事はこちら

「真の仮想化」が好調の要因

「ストレージ仮想化」が大きく伸びた2010年

 ──昨年のストレージビジネスは、どのような状況だったでしょうか。

システム製品事業ストレージ事業部
営業推進担当
五島 啓氏
 五島 2010年のストレージビジネスは大きく成長し、マーケットシェアも伸ばしています。エンタープライズからミッドレンジ、エントリーまですべてが好調でした。そのなかで特徴的だったのは、「ストレージ仮想化」関連製品の伸長です。IBMは、ネットワークに接続された複数のストレージをあたかも一つのストレージのように利用・管理することができるストレージ仮想化に早くから取り組んでいます。これまでもストレージをプール化するという製品はありましたが、マルチベンダーのストレージをプール化できるものはありませんでした。これでは「真の仮想化」とはいえません。「IBM System Storage SAN ボリューム・コントローラー」(SVC)や「IBM Storwize V7000」(V7000)などは、既存のストレージを利用できるという点で、高い評価をいただけていると思っています。

「IBM Storwize V7000」を切り札に

 ──2010年は、どのような施策を打ってこられたのでしょうか。

 五島
 まず製品ポートフォリオの拡充があります。製品ラインナップを統合し、シンプルにする、という方向性もありますが、性能/可用性/コストなどシステム毎に何が最適であるかはお客様によって大きく異なります。製品ポートフォリオの拡大によって、お客様にもっともフィットする製品をお届けすることに注力しています。現在のビジネス状況はこの方向性が正しかったことを裏付けていると思っています。また、製品さえ揃っていればそれで十分というわけではなく、多様なニーズに応えるには、製品やサービスを組み合わせて、ソリューションとして仕立てる必要があります。さらに、そのソリューションは、ストレージという領域にとらわれることなく、サーバーなどを含めたシステムで考える必要があるでしょう。当社の場合、サーバー製品の「太鼓判」でも、ストレージを取り込んで提案しやすいようにしています。

 ──では、昨年残した課題と今年の戦略について教えてください。

 五島
 すべての領域で好調でしたが、できればミッドレンジの領域をもう少し強化したかったという改善点はあります。この領域に関して、今年はさらに伸ばしていきます。そのキーワードになるのが、昨年10月に提供を開始したV7000です。この製品は自動階層化、仮想化、管理インターフェースなどハイエンドクラスのテクノロジーをミッドレンジに投入した製品です。市場の反応がよく、昨年12月までに世界中で1000台を超える出荷をしています。通常は、国内市場の場合「新製品は様子見」というお客様が多いのですが、「V7000」は最初から好調。これは予想以上の反応でした。パートナー各社からも「こういう製品を待っていた」というありがたい言葉を多数頂いています。

 また今年の1月には「V7000」に、データ保護ツールとモニタリング・分析ツール、導入サービスをセットにしたバンドル・ソリューションを提供して、お客様やパートナー様から喜ばれています。今年の戦略ですが、パートナー様と協業して各種施策をより確実に実施するために、システム製品事業の中にパートナー様支援の専門組織を立ち上げました。この新組織を中心として、バリューパートナーとして認定されたパートナー様、および、販売店様への支援プログラムの拡充、さらにはディストリビューター様との協業による新規パートナー開拓をさらに強化していきます。

 ──ありがとうございました。さらなるご発展を期待しています。

日本IBM
「IBM Storwize V7000」

「自動階層管理」と他社機を含む「仮想化」を実現するミッドレンジ・ストレージ
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外部リンク

日本IBM=http://www.ibm.com/systems/jp/storage/