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<ロードバランサ/アプリケーションデリバリコントローラ特集>アレイ・ネットワークス 製品ラインアップを一新しデータセンター対応を強化
2011/04/28 19:55
週刊BCN 2011年04月25日vol.1380掲載
「Array APV」シリーズ6モデルを発売
多彩な機能を1台に集約プロダクトマーケティング部 マネージャ 大塚健一郎 氏 |
今日のネットワークにユーザーが求めるのは、アプリケーションに対して高いセキュリティとアクセスのパフォーマンスを維持しながら、いつでも、どこでも、さまざまなデバイスからもアクセスできる環境の実現だ。このほどラインアップが一新された同社のAPVシリーズは、Webサーバーやアプリケーションサーバーのためのローカルおよびグローバル負荷分散、SSLアクセラレーション、ファイアウォール、メモリキャッシュ、コンテンツ圧縮等の機能を1台で実現。99.999%連続可用性を実現する高い信頼性も備えており、「高パフォーマンスと高セキュリティを両立するインテリジェントな統合アプライアンス製品」(大塚氏)であることが大きな特徴だ。特にデータセンターや通信事業者には災害・障害時でも安定したサービスを提供するために拠点の分散化が求められる中、ローカルだけでなくグローバルサーバ負荷分散(GSLB)も同一筐体で実現できる点は、市場でも稀有な存在だ。
APVの強みの一つは、卓越したコストパフォーマンス。1台で多彩な機能を提供するので、専用機器を個別に導入するケースと比較すると、導入コスト、電力消費、設備スペースを減らすことができる。また、複数機器の運用の手間、コストも大幅な削減を果たしている。さらに、競合製品と比べても、「スループットあたりの単価で30~40%優れたコストパフォーマンスを実現しています」(大塚氏)という。
フラッグシップモデルを追加
新「Array APV」シリーズは、従来製品の後継機種となるエントリーモデル「APV1600/1600 Turbo」、ミッドレンジ向け「APV2600/5600」、大規模環境向けの「APV8600」の5モデルに加え、新たにハイエンドモデル「APV9650」が追加されて、計6モデルをラインアップする。また、ハードウェアの向上に合わせて、搭載OSも64ビットマルチコアCPUへの対応、IPv6や2048ビットSSL暗号化をサポート、API拡張による仮想化環境との統合など、クラウドサービスのインフラやデータセンターを強く意識した大幅なバージョンアップが図られた。
APV1600は、従来製品のAPV1200と比較して50%(スループット比)もの性能向上を実現、さらにソフトウェアライセンスの追加で、APV1600 Turboにアップグレードできるなど、スケーラビリティも高い。
そして、目玉となるフラッグシップモデルのAPV9650は、わずか2Uの省スペースきょう体でありながら、2000万以上の同時コネクションをサポートし、ボックスタイプでは業界最速の60Gbpsを達成。これは従来の最上位モデルの6倍もの性能向上となる。同時に、競合製品と比べても3割程度の低消費電力を実現しているという。
ハイエンドユーザーを開拓
大塚氏は、「販売面では、これまではエントリーモデルが中心でしたが、APV9650が投入されたことによって、データセンターや通信事業者などハイエンドユーザーのニーズにも十分に応えることができるようになりました。これを機にミッドレンジからハイエンドユーザーの開拓を積極的に図っていきます」と語る。
そのため同社では、パートナー戦略の強化も順次進めていく方針だ。具体的な施策としては、導入事例などのドキュメント、セールスツールの提供をはじめ、すでに米国でアナウンスしている教育制度についても国内向けに展開していく。専門トレーニングや技術者認定制度などをスタートさせるとともに、2次、3次代理店向けサポートも充実を図り、共同キャンペーンやイベントの開催を予定する。
「当社の製品がお客様から高く支持される理由の一つに、日本のお客様の要望をいち早く機能や改良といったかたちで反映させるきめ細かい対応があります。今後もサポートの充実、使い勝手の向上を進めて、ハイエンドのお客様のニーズにお応えしていきます」と強調する。
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