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<ストレージ特集>長期安定が見込まれる有望なマーケット 企業内のデータ量急増が追い風

2011/04/21 19:56

週刊BCN 2011年04月18日vol.1379掲載

エレコム、ロジテック
NRIセキュアの情報資産ソフトとNASが連携
ファイルの削除・整理が容易に

 企業で管理・保有するデータ容量が増加傾向にあるなか、低価格なNAS(ネットワークストレージ)が注目を浴びている。企業内のデータは、時間の経過に伴って確実に蓄積され、ファイル容量が肥大化する。保存先のストレージにかかるコストが無視できなくなっているのが注目される理由だ。さらに、一般的なファイルサーバーやNASの場合は、複数の人が同時アクセスするため、一つのファイルに関わる人も複数になり、削除可能なファイルかどうかの判断が難しく、整理が煩雑になる。誤って重要ファイルを削除(整理)しないためにも日ごろの管理が重要課題になっている。

 こうした課題を解決するのが、ロジテックの「Windows Storage Server 2008 R2」を搭載したNASと、NRIセキュアの情報資産の識別・整理ソリューション「Secure Cube/Labeling Standard」の組み合わせだ。同社のNASが搭載している最新OS「Windows Storage Server 2008 R2」から導入されたファイル分類管理(FCI)を利用すれば、ファイルサーバーとして利用しているNASに保存されているデータ整理を自動化できる。この機能により、「更新日がyyyymmdd以前のファイルを指定のフォルダに移動する」などといった整理が可能になるのだ。

 また、「Secure Cube/Labeling」との連携では、各文書に強制付与したラベル情報を元にFCI機能で適切なフォルダへ移動できる。ファイルの保存先が不適切だと情報漏えいのきっかけにもなりかねない。だが、「Secure Cube/Labeling」で「極秘」や「社内限」とラベリングしたファイルだけにアクセス権を付与した指定のフォルダに移動する、といった運用が実現できる。

 FCIなら自動的に整理できることから、セキュリティは向上させつつも管理者の工数削減にもなる。「Secure Cube/Labeling Standard」のWindowsサーバーオプションをNASにインストールすれば、NASに保存されているファイルの台帳を自動生成できる。機密情報が「どこに」「どれだけ」存在するかを可視化することが可能だ。

 ロジテックでは、NASのOSに「Windows Storage Server 2008 R2 Workgroup Edition」を搭載した「LSV-5S4CWシリーズ(RAID5/4HDD)」に続き、「LSV-MS2CWシリーズ(RAID1/2HDD)」、SIS機能を利用できてユーザー数制限も受けないStandard Editionを搭載した「LSV-5S4CSシリーズ(RAID5/4HDD)を用意。ソフトとの組み合わせでは、メインメモリ/3GB、電源も国産メーカの電源を採用。同クラスのNASで唯一、ディスクを丸ごと「AES256bit」で暗号化することにも対応する。これにより、一段と強固なセキュリティを実現することができる。



エレコム=http://www.elecom.co.jp/
ロジテック=http://www.logitec.co.jp/


データでみるストレージ市場
主要分野、すべて右肩上がりで成長

 需要が旺盛なストレージ市場。このマーケットにはさまざまな製品・サービスがあるが、なかでもニーズが旺盛な分野は、今後どのような動きを示すのか。伸びが期待できそうな分野をピックアップして、調査会社IDC Japanのデータからその将来像を見通す。

国内ストレージソフトウェアの市場推移


 ストレージ関連ソフトの2009~2014年までの年平均成長率(CAGR)は3.4%、2014年には794億円規模に達する。なかでも、データ保護・リカバリソフトの伸びは著しく、2010年上期の伸び率は5.1%。事業継続計画(BCP)の観点から注目され、今後も成長が期待できる。

国内ディスクストレージシステムの出荷容量予測


 ディスクを用いたストレージシステム出荷容量の2009~2014年のCAGRは45.7%。この内訳をみると、ファイルベースのストレージ容量のCAGRが62.8%、ブロックベースが24.7%となっている。ファイル単位でデータを格納するストレージが市場をけん引していくとみられる。

国内「Storage as a Service」の市場推移


 ネットワークを通じてストレージの機能を利用する「Storage as a Service」の2009~2014年のCAGRは6.9%。2014年の市場規模は314億円に達する。データ保護と事業継続計画(BCP)を実現するITソリューションとして、中堅・中小企業からの需要が高まると期待されている。

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