Special Issue
<医療市場特集>進化を求められる 医療IT市場 医療機関の連携が必須に
2011/04/21 19:56
週刊BCN 2011年04月18日vol.1379掲載
日本事務器
医療・介護・健診システムをつなぐ
「ありそうでなかった」新サービス投入
中堅・中小企業と公共・文教分野、そして医療・福祉分野向けシステム構築およびITサービスに強い日本事務器(田中啓一社長)。とくに医療・福祉分野向け事業は歴史があり、実績も多い。「医療」「介護福祉施設」「保健・健診施設」のすべてに向けた製品・サービスをもち、トータルヘルスケアソリューションを手がけることができるのが強さの秘密だ。3月下旬、その医療・福祉分野向け事業で月額課金型の新サービスをリリースした。医療・福祉分野の業務改善に貢献する、他社にはない唯一のソリューション。日本事務器の医療・福祉分野向け事業の強みとともに、新サービスの魅力を解説する。 「医療」「介護福祉」「保健」を網羅
坪川雅寛 取締役執行役員常務 事業推進本部長 |
同社の坪川雅寛・取締役執行役員常務事業推進本部長は、「『医療』『介護福祉』『保健』のすべてにITソリューションをワンストップで提供できるのは、当社しかないだろう。一つの医療法人が、病院だけでなく介護福祉、保健施設を運営しているケースも多い。そういう場合、トータルソリューションを提供できるNJCの強みが生きてくる」と説明。実績も多く、例えば病院では800か所にシステムを販売しており、NJCがメインターゲットに据える病床数300床以下では、知名度は高い。
各システムのデータを総合管理
真川光司 事業推進本部 事業推進システム部長 |
「PHR(Patient Health Record)」とは、患者一人についての医療・健康情報を一元管理する考え方・手法をいう。医療機関で受けた検査や治療、カルテなどの医療情報や健康診断結果、介護に必要な情報などを、異なる場所で治療や検査を受けても一元管理できる。そうすることで、各施設は業務を大幅に効率できる。「PHRMAKER」は、それを具現化する。
「PHRMAKER」は、各システムで生成された各健康(医療・保健・福祉・介護)情報を一挙に取り込み、一つのデータベースで管理する。各システムで生成した各個人の異なるID番号も独自技術でほぼ自動的に名寄せしてIDを統一。情報が更新された場合は、一元管理された情報を自動更新する。各個人が診療、介護、健診情報を時系列で把握することもできる。
「同じ法人でも、施設が異なればIDも別で管理している。過去にどんな治療を受けたのか、いつ健診を受けてどんな結果が出たのか、介護を受けた経験があるのかなどは、そのつど、紙や電話などで調べなければならないか、再検査したり患者に聞いたりしなければならなかった」と坪川取締役執行役員常務は問題点を指摘する。
そのうえで、真川光司・事業推進本部事業推進システム部長は、「『PHRMAKER』は極めてシンプルな発想だが、ありそうでなかったサービス。『医療』『介護福祉』『保健』それぞれのシステムを提供しているわれわれだからこそ提供できるものでもあり、他社は追随できないだろう。顧客からの引き合いはたくさんきている」と、好感触を得ている。実績も出ており「これまでまったく取引がなかった医療法人が、『PHRMAKER』のコンセプトを評価して、その場で導入を決めてくれたケースがある」(真川部長)という。
また、社会医療法人の生長会(大阪府)では、導入に向けた実証実験もスタートしている。利用形態は月額利用料金制にして、お客様が新たにシステムを構築・運用せずに利用できるようにしているのも高い評価を受けているポイントだ。
坪川取締役執行役員常務は、「われわれが提供しているのは、ヘルスケア(健康)ソリューションであり、ライフ(人生・生活)ケアソリューション。一部分ではなく、健康、生活に関連するあらゆるITシステムを提供していく」と強調。トータル提案を重視する姿勢を示している。「PHRMAKER」は、そのトータル提案をより増強させたサービスだ。
日本事務器=http://www.njc.co.jp/