Special Issue

<クラウド・ホスティングサービス特集>NTTPCコミュニケーションズ 「WebARENA CLOUD9」でクラウド需要を取り込む

2011/03/03 19:55

週刊BCN 2011年02月28日vol.1372掲載

 ホスティング/ハウジングサービスを展開するNTTPCコミュニケーションズは、クラウドコンピューティングサービスの拡充に力を入れている。クラウド型サービスの名称は、「WebARENA CLOUD9(ウェブアリーナ クラウドナイン)」で、2010年10月からサービスをスタート。既存のホスティングサービスや仮想専用サーバー(VPS)サービスと並んで、WebARENAシリーズの新しいサービスラインアップとしてユーザーの数を着実に伸ばしている。

ホスティングビジネスの実績と信頼を強みに

 同社は、業界に先駆けて、VPSサービス「WebARENA SuitePRO」を2005年に投入。VPSサービスは、既存のホスティングサービスのような共有型ではなく、仮想的に独立したサーバーをroot権限で使える仮想化サービスの一つだ。ホスティングサービス最高水準のサーバー稼働率100%を保証するサービス品質保証制度を導入するなど、「信頼性の高いVPSサービスとして高い評価を得ている」(NTTPCコミュニケーションズの井崎義浩・データセンタ事業部サービス開発部担当課長)と胸を張る。

 仮想化技術を駆使したサービスに定評のある同社が、満を持して投入したクラウド型サービスが「WebARENA CLOUD9」である。NTTコミュニケーションズのグループ会社の米国Verio社の技術を活用したもので、中堅・中小企業のユーザーが手軽に活用できるクラウド環境を指向したものだ。「WebARENA CLOUD9」は、ITリソース使用状況に応じて、空きリソースのあるサーバーへ自動移行するマイグレーション機能や、ハードウェアの故障時に自動的に代替サーバーへ移行してサービスを復旧するフェイルオーバー機能を実装し、高い信頼性を確保した。

 また、2011年春をめどに、あらかじめ予約しておいたリソース値まで、サーバーを止めずに、自動でリソースを拡張するオートスケールアップ機能を加える。同時に、同機能による際限のない課金を防ぐため、併せて時間従量課金と最大料金の設定も可能にする予定である。

 「ユーザーが予想外な高額課金を課されないようにする」(NTTPCコミュニケーションズの安松香世・データセンタ事業部サービス開発部主査)ことで、安心して高信頼なサービスを気軽に利用できる環境づくりに取り組んでいる。


会社概要
創立:1985年9月4日
従業員数:583人(2010年3月末現在)
概要:NTTPCコミュニケーションズは、NTTコミュニケーションズのグループ会社。同社のホスティング/ハウジングサービス「WebARENA」は1997年にスタートし、オープンアーキテクチャのホスティングとして高い知名度を誇る。2010年10月からは、クラウド対応の「WebARENA CLOUD9」サービスを立ち上げた。
URL:http://www.nttpc.co.jp/
  • 1

関連記事

<クラウド・ホスティングサービス特集>クラウド活用で成長が顕著に “所有から利用へ”が一段と加速

NTT Com、クラウド型仮想ホスティングを提供開始、基盤はRed Hatを採用