Special Issue
バックアップを変革するアプライアンス「PlateSpin Forge」、仮想化で差をつける提案
2011/01/27 19:55
仮想システム構築・運用に関連するさまざまな製品をもつのが「PlateSpinシリーズ」の強みだが、なかでも2010年に発売したバックアップ・ディザスタリカバリ(災害対策)機器「PlateSpin Forge」は、いま、多くの企業に受け入れられている。仮想化・クラウドビジネスで差異化を図りたいと考えているITベンダーには、まさに打ってつけのハードウェアだ。
仮想化・クラウドビジネスを総合支援、大手ITベンダーとも続々協業
ノベルは、Linuxやセキュリティ、アイデンティティ管理製品など、情報システムの構築・運用を支える多くのインフラ関連製品をもつ。2008年には、仮想システム・クラウド環境を求めるユーザー企業が増えるとみて、カナダのソフト開発会社であるプレートスピンを買収。データセンター(DC)の運用や仮想システムの構築・運用管理をサポートする製品群「PlateSpinシリーズ」を自社に取り込み、販売を開始した。「PlateSpinシリーズ」は、物理システムから仮想システムへの的確な移行と、仮想システムを構築・運用する際に必要な作業を削減するツールなどを集めた製品群だ。仮想システムに効率よく移行するための事前検証ツール「PlateSpin Recon」、移行ツール「PlateSpin Migrate」、運用管理機能の「PlateSpin Orchestrate」などがあり、仮想システムの移行・構築・運用支援に関するツールを網羅している。
たとえば、「PlateSpin Recon」は、多くのシステムインテグレータ(SIer)やITサービス事業者が仮想化ソリューションを提供する際の移行ツールとして活用している。物理的な情報システムを的確に仮想化するには、仮想化に適さないシステムがあるなど、多くの事前検証作業が必要になる。ITベンダーにとっては多大な手間がかかり、怠ればシステムトラブルを招く可能性が高い。「PlateSpin Recon」はその問題を回避でき、手間を大幅に軽減する。仮想化した場合の移行計画、リソースプランニングをサポートし、最適な仮想化移行の道筋を導き出すことが可能だ。
「PlateSpin Migrate」は、「PlateSpin Recon」で事前検証された仮想化移行計画を的確・効率良く遂行するためのツールで、移行に関する作業を可能な限り自動化することで、短期間でミスなく移行させる。テスト機能の充実や、さまざまなプラットフォームに対応していることも特徴だ。両製品の好調を受けて、ノベルはSIer向けに「PlateSpin Recon」は1年間定額で使い放題、「PlateSpin Migrate」は50ワークロード移行分をまとめたお試しパッケージでキャンペーン価格を用意しており、仮想化ソリューションの事前検証・移行で課題を抱えている、またはこれから始めようとしているITベンダーにとって魅力的なキャンペーンとなっている。
リコーやTIS、シーティーシー・エスピー(CTCSP)、日本システムウエア(NSW)など、大手IT企業は、いま「PlateSpinシリーズ」に強い関心をもち、ノベルと続々と手を組んでいる。各社とも「PlateSpinシリーズ」を活用して仮想化・クラウドビジネスを推進し、他社との差異化につなげている。
安価で簡単な専用機、バックアップを変革
ノベルは2010年、この「PlateSpinシリーズ」に新たな製品を追加した。それが、バックアップ・ディザスタリカバリ(災害対策)機器「PlateSpin Forge」だ。物理システムはもちろん、仮想化したシステムを自動的にバックアップし、手間なく復旧作業ができるアプライアンスだ。鈴木広紀営業本部SEグループマネージャーは、仮想システムのバックアップにおけるユーザー企業の課題を「物理システムから仮想システムに移行しても、作業の手間はまったく同じで、効率化できていない部分がある。何百ページものマニュアルを読んで、やっとバックアップ業務ができるようになるという旧態依然としたやり方がまかり通っている。ユーザー企業の利便性は向上していない」と語る。
「PlateSpin Forge」には、この問題を解決する力がある。まずその導入と運用の簡便さがある。導入はわずか3ステップしかない。「箱から取り出して、IPアドレスとパスワードを設定して、最後に保護対象サーバーを選択して同期時間を設定するだけ。ぜひデモを見てほしい」と鈴木マネージャーは強調する。
運用も極めて簡単だ。バックアップは、設定に応じて全自動で行われる。煩雑な作業はなく、物理・仮想を問わず、システムを丸ごとバックアップする。万一障害が発生した場合は、「PlateSpin Forge」が情報システム管理者に通知し、障害発生中は待機サーバー(バックアップしているサーバー)に切り替わるので、ユーザーは障害が発生している間もシステムを止めることなく、業務を継続できる。障害が発生したサーバーに代わってサーバーを入れる場合は、違うメーカー製品でも対応でき、復旧作業の手間も大幅に軽減できる。
そして「PlateSpin Forge」のもう一つの特徴が、価格競争力。10台、又は25台迄のサーバーをバックアップできるモデルを用意しており、542万9400円からという価格設定だ。一見、高価に感じるが、「ディザスタリカバリのためのバックアップシステムを構築する場合、関連のソフトウェアやハード、システム構築費用を含めると数千万円かかってしまう」(鈴木マネージャー)という。これと比較すれば、大幅にリーズナブルな価格で、コスト削減メリットも大きい。ユーザー企業が検討しやすいバックアップシステムなのだ。
ITベンダーのバックアップビジネスを支援、さまざまな提案のシナリオに
こうした特徴を持つ「PlateSpin Forge」は、「ITベンダーのシステムインテグレーションビジネスで、複数の提案に活用できる」と鈴木マネージャーは語る。そのうえで、「仮想化ビジネスは確かに伸び盛りだが、どのITベンダーも提供する汎用ソリューションになって、すでに価格の叩きあいが始まっている。ITベンダー各社は、価格競争に巻き込まれない付加価値を求めているはず。『Forge』がその役割を果たす」と強調する。鈴木マネージャーが描く主なシナリオは以下の通り。
(1)仮想システムで差異化を図るソリューションとして活用
(2)物理、仮想問わず運用が容易なバックアップソリューションとして活用
(3)短期間で安価に構築できるディザスタリカバリソリューションとして活用
(4)情報システムのテスト環境構築ソリューションで活用
(5)バックアップコストを低減するコスト削減ソリューションとして活用
(6)クラウド環境構築の前のバックアップシステム統合ソリューションとして活用
情報システムの仮想化ビジネスは、いま伸び盛り。特定の情報システムだけを仮想化していた大企業や中堅企業が、仮想化の対象を拡大しているほか、中小企業でもニーズが強まっている。プライベートクラウドの構築にも、仮想化は必須だ。しかし、鈴木マネージャーが語るように、どのベンダーも提供する極めて普通のソリューションになりつつあり、競争が激化している。ITベンダーは、付加価値を見出さなければ競争には勝てず、利益も出しにくい。鈴木氏は言う。「仮想化ビジネスを展開済みの企業にも、そうでない企業にも、共通して提供できる付加価値。他社との差異化にぜひ活用してほしい」。
豊富な製品群をもつ「PlateSpinシリーズ」に新たに加わった「PlateSpin Forge」。業種・顧客規模を問わず、導入実績が増えつつある。仮想化ビジネスに差をつけるソリューションとして、さらに存在感を増していくだろう。
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外部リンク
ノベル=http://www.novell.com/ja-jp/home/