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<カシオ情報機器 特集> 「楽一」で好評の新ウェブ機能を昇華 小規模企業の開拓拡大へ
2011/01/20 19:55
週刊BCN 2011年01月17日vol.1366掲載
ネットビジネスエントリーシステムとして新規代理店を獲得
累計8万台の販売実績大口拓也 SME事業部 販売促進課 課長 |
カシオ情報機器では9か月ほど前、この「楽一」の機能をより広範なユーザー層へ拡販するため、ホームページ(HP)作成やウェブサービス機能を追加した新製品を発売した。
仲村貞彦 戦略企画部 SME企画室 室長 |
ウェブサービス機能を付加した理由について、大口拓也・SME事業部販売促進課課長は「『楽一』を所有する中小企業・SOHOのお客さまのHP作成率は、わずか26%と少ない。ネット通販市場が拡大し、既存のビジネスが大きく変わっていく中、小規模企業は発信すべきこだわりの商品や技術を持っているにもかかわらず、ネットを活用してそれをPRしたり、ECサイトでお店を出して販売したりするノウハウや機会がなく、現状から脱皮できていない。ここに至る最初の機能として、ウェブサービス機能を提供し、お客さまの売り上げ増に貢献しようと考えた」と、開発の経緯を語る。
商品陳列が自由自在
複数ある機能のうち、こうしたITの利活用が苦手な層向けとして注目されるのが、「CR販売管理システム」にある「かんたん商品陳列」機能だ。「販売管理システムからウェブに触れることなく簡単に商品ページを更新でき、タイムリーな商品陳列ができる」(大口課長)という。従来、中小企業・SOHOが自社でECサイトや商品陳列サイトをつくる場合、モールサービスを利用するか、ソフトウェア開発会社に委託してサイトを構築する。しかし、小規模ユーザ企業では、コンテンツを更新する知識やスキルを持つ人材がいない、ネットでPRするためのノウハウがない、などの理由で運営維持が困難、あるいは更新を委託すると、コンテンツを更新するごとに料金がかかり、しかもタイムリーな変更ができない。そのため「更新が面倒になり、サイトが死ぬ」という状況になっていた。
商品陳列がユーザー企業側で可能となり、しかも「カート」機能で決済したうえに、販売管理システムで集計もできる。同社がこれまで知り得た中小企業・SOHOの実情を念頭に置いた、実に簡単なシステムに仕上がっている。
このウェブサービス機能は、2010年秋、「楽一」以外の端末で動くシリーズとして提供を開始した。それが「NS Series」だ。このソフトとの動作検証を終えたデルの「Windows 7マルチタッチ機能」を搭載したデスクトップとノートパソコンで利活用できるようにしたパックシリーズだ。仲村貞彦・戦略企画部SME企画室室長は「経営者が世代交代し、専用端末でなくパソコンで使いたいというニーズが出てきた」と、ITリテラシーの向上とともに利用環境も変わり、これに応える製品群を揃えたということだ。
例えば、九州のある和菓子屋では「小売が主体で売掛処理が無いので、専用機『楽一』の全ての業務システム機能は必要ない」という要望が出ていた。一方でECサイトを自社で持ち商品をPRし、リピータ化を促進できるサービスは魅力だった。こうしたお客様にNSシリーズは最適だ」(仲村室長)という。
新規代理店を開拓
今後、同社は既存約200社の販売代理店に加え、中小企業・SOHOと多く接し、この領域のシステム提案が得意で、HP作成などを手掛けるITベンダーを取り込み、より幅広い層へ拡販する体制を整える。「既存代理店や新規パートナーは、具体的でわかりやすいネットの活用を提案でき、幅広い層の顧客を獲得できる」(大口課長)と、パートナーには新たなストックビジネスを提供できると強調する。中小企業・SOHOの実情を知り尽くすカシオ情報機器だからこそできた新システムは、いま以上に日本のIT利活用を拡大することに貢献することだろう。
同セミナーでは、カシオ情報機器の担当者を招き、「楽一」のデモンストレーションを交えたビジネス支援成功事例をご紹介。また、中小規模市場に精通したITアナリストによる、中小企業のIT・インターネット活用の実態の解説や、ユーザーへの公開取材なども予定しております。
参加費は無料です。詳しくはこちらから。ぜひご参加ください。
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