Special Issue
<クオリティ特集>CDP方式で低価格/低負荷/高機能を実現 「QQR(Quality Quick Recovery)」をリリースへ
2010/06/24 19:55
週刊BCN 2010年06月21日vol.1338掲載
地震や津波、洪水などの自然災害や、火災やテロなどの人的災害……。企業のITシステムは、さまざまな脅威にさらされている。これらの脅威によって、たとえ事業が一時中断を余儀なくされた場合でも、早急に事業を再開しなければ大きな損害を被ることになる。確実な事業継続は、経営者にとって常に大きな命題だ。
一方、企業の情報システム部門には、ウイルスやホームページの改ざん、誤操作によるデータの損傷、ハードウェア故障などの障害発生時に、迅速にシステムを復旧させるという命題がある。事業継続にもシステム復旧にも、求められるのは「確実さ」と「速さ」だ。
このような環境のなか、クオリティは、7月に新しいバックアップ/リストアソリューション「QQR(Quality Quick Recovery)」をリリースする。これは、システムやデータのバックアップを常時取得し、必要に応じて数十分ほどでリストアするソリューションだ。従来のバックアップやレプリケーションとは異なり、多彩なリストア機能をもつCDP(Continuous Data Protection)方式を採用している。「QQR」にはスケジューリングや差分バックアップという概念がなく、常に最新のスナップショットを取得しつつ、任意のリカバリポイントの状態に復元することができる。
実はCDP方式を採用したソリューションは、これまでもいくつか市場に投入されてきた。しかし、それらのソリューションには、管理が煩雑で工数がかかる、導入・運用コストが高かいなどの障壁があり、市場で受け入れられるには至らなかった。クオリティは、こうしたかつての常識を覆し、導入と運用がしやすく、コストを抑えたソリューションとして「QQR」を投入する。
では、「QQR」の新しさを見ていこう。「QQR」では、バックアップ対象マシンのOSやデータに更新・変更があった際に、どのエリアのデータが書き換えられたのかを取得して記録する。ディスクの変更ブロックだけを取得するので、ストレージ製品などに導入されているDe-Dupeと同様、バックアップデータの最小化に成功している。
さらに「QQR」では、バックアップデータ自体を圧縮し、暗号化して転送しているので、データ量の削減とセキュリティの確保を同時に実現している。
バックアップデータ自体が削減されていることに加え、リアルタイムにバックアップしているので、サーバやネットワークへの負荷を極力抑えられる。そのため、将来を見越した遠隔バックアップも既存回線のまま検討することもできる。
「QQR」は、アプライアンスとして提供される。バックアップ対象マシンにエージェントソフトをインストールし、設定メニューで対象マシン名と「QQR」のIPアドレスを設定するだけで、すぐに利用できる。また、「QQR」は、マイクロソフトの「Volume Shadow Copy Service」(VSS)との連携により、バックアップ対象マシンが定期的にVSSを発行してスナップショットを取得し、その変更ブロックを「QQR」サーバに転送する仕組みとなっている。
このためスナップショットデータを元に、リカバリポイントを作成することもできる。リカバリポイントは64世代まで保存できるので、適切に管理することで、任意の時点でのデータに即座に簡単に戻すことができるのだ。また、初期バックアップデータやOSアップデート前の状態など、特定時期のリカバリポイントは、ロックすることで保護できる。
例えば、設計・開発を行っている企業の場合、図面データの管理は重要な業務の一つだ。設計作業の過程では、過去のある時点のデータに戻して再設計を行うケースも少なくない。しかし、図面データはファイルサイズが大きく、世代で管理しようとすると大容量のストレージが必要になり、その管理・運用に多額のコストがかかってしまう。「QQR」を使えば、バックアップデータ量が少なく、設計者自らが必要に応じて過去のデータに戻すこともできる。リカバリポイントをロックすれば、過去データの長期保存も可能だ。
低価格/低負荷/高機能――CDP方式に新たな命を吹き込んだ「QQR」は、ユーザのニーズを確実に満たし、これまでのバックアップ/リストアの概念を大きく変えていくソリューションといえそうだ。
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