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<APM特集>SKサポートサービス APMツール「JENNIFER」の販売で高まる存在感
2010/04/28 15:49
週刊BCN 2010年04月26日vol.1331掲載
ライセンス販売に加え月額サービスも
稼働状況をひと目で把握営業部 部長 佐藤 明氏 |
APMとは、Webアプリケーションの稼働状況を常時監視し、Web系システムの安定稼働と、万一障害が発生した時の迅速対応に役立てるソリューション。Web系システムが台頭するなかで、数年前からAPMも注目を集め始めた。活用方法はさまざまで、ユーザー企業が自身で自社のWebシステムを管理するために活用するケースもあれば、SIerなどのITベンダーが、ユーザー企業のシステムを監視するために利用する場合もある。SIerは、稼働するシステムのモニタリングだけでなく、開発が終わったシステムのパフォーマンスをテストする際にも活用でき、利用範囲は広い。
「JENNIFER」はAPMの有力ツールで、韓国市場で400社以上に導入されており、APM市場のNo.1ツールとしての地位を確立している。日本では、佐賀県庁、NECビッグローブ、アドバンテスト、東芝保険サービスなど約30社が利用しており、徐々に存在感を増しつつある。
「JENNIFER」の強みは、まず対象サーバーの稼働状況がひと目でわかる管理画面だ。図を多用した分かりやすい表示で、トランザクション数やハードウェアの利用状況、アクセスしている端末数などがリアルタイムにかつ容易に把握できる。動作が遅いトランザクションの理由を、マウス操作だけで浮き彫りにし迅速な問題解決に役立てることも可能だ。リアルタイムの稼働状況だけでなく、過去データもログを分析せず簡単に閲覧できるのも特徴だ。従来はJavaベースのアプリケーションにしか対応していなかったが、2010年4月からは新たに.NET環境で開発されたアプリケーションもサポート。管理可能なシステムを大幅に拡充した。
「JP1」などの運用管理ツールと類似製品と思われるケースがあるが、APMはWebアプリケーションの稼働状況監視に特化しており、一般的な運用管理ツールとは一線を画す。「運用管理ツールとは競合というより共存すべきもので、特に『JP1』とは連携パートナーでもあり連携動作が容易で、『JENNIFER』が発信した異常警告を『JP1』の管理画面で把握できるようにもなっている」(佐藤明・営業部部長)。
APMを月額で利用可能に
導入方法はシンプルで、管理したいサーバーにエージェントを組み込み、専用サーバーにつなぐだけだ。管理ツールはWebアプリケーションでネットワークにつながっていれば、どのPCからでもアクセスできる。また、「JENNIFER」を導入する場合、既存システムを変更する必要がなく、既存システムのパフォーマンスが落ちることもない。「従来の製品には、処理能力に悪影響が出る製品もあるが、『JENNIFER』では全くその心配がない。安心して導入できる」と佐藤部長は語っている。
SKサポートサービスは、従来1CPU単位で販売するライセンスモデルで「JENNIFER」を提供していたが、今春からは新たにサービスとしても提供を開始した。「JENNIFER」の機能を月額料金制で販売し始めたのだ。「JENNIFER」のライセンス販売を手がけるITベンダーはSKサポートサービス以外にも存在するが、サービスとして提供するITベンダーは同社だけだ。メニューは、ユーザー企業が管理したいサーバーをSKサポートサービスのDCに預けるプランと、自社で保有するプランの2タイプを用意した。
佐藤部長は「SIerからは、開発したWebシステムのテスト期間だけ活用したいというニーズが最近急増しているため、今回のサービスモデルを企画した」と、サービスビジネス開始の理由を語っている。
徐々に成長しているAPM市場。SKサポートサービスはそのなかで、最有力ツール「JENNIFER」の販社として着実に実績を積み上げてきた。今回、他社にはないサービスモデルを用意したことで、DCサービス企業としての顔だけでなく、「APMソリューションベンダー」としての地位を確立しそうだ。
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