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<ソリトンシステムズ×ノークリサーチ対談>セキュリティがパッケージ型からSaaS型へシフトの気配 クラウドに適したログ収集/資産運用管理
2010/04/28 19:55
週刊BCN 2010年04月26日vol.1331掲載
──まず、それぞれの立場から、SMB市場の資産管理や運用管理の最近の傾向や特徴をお話しください。
岩上 年商500億円未満のSMBを対象としたアンケートでは、クライアントPC管理について、多くの企業が「IT資産管理」や「セキュリティ対策」を課題に挙げています。情報漏えい対策を実施したいのだが、人手不足。マイクロソフトの新OS「Windows 7」が登場したことで、今後は法人市場でもクライアントPCのリプレースが出てくる可能性がある。クライアントPCの管理ニーズは、さらに大きくなるというのが最近の傾向です。
ソリトンシステムズの松本吉且・サービスビジネス本部長 |
──昨年は、不景気でユーザー企業がIT投資を抑制していたと聞いています。最近の導入意欲はどのような状況でしょうか。
岩上 アンケートによれば、今年のIT投資意欲は前年比マイナス15.7%。まだ厳しい状況が続きますが、昨年と比べるとマイナス幅が縮小しています。09年は基幹系を中心にシステムのリプレースを抑えたのですが、一方で、すでにシステムが限界を迎えているということです。また、投資の妥当性を気にするようにもなりました。単に価格が安いだけでなく、人手なども含めたトータルコストを考えるようになっているのです。目先のコストだけでなく、先々を考えた投資を意識するようになり、その一つとしてクラウドなど、オンデマンドサービスに関心が高まっています。
松本 現段階では、製品に対する投資意欲のほうが大きいといえます。サービスの認知度を向上させるのは、ベンダー側の責任ですが、先ほども申し上げたように、当社では「OnDemand」への関心が最近顕著に現れています。このようなことを踏まえると、ベンダー側はこれまで以上に、サービスの認知度を向上させ、利用促進を訴えていくことが必要です。
ノークリサーチの岩上由高・シニアアナリスト |
松本 確かに、利用料金の安さを訴えるだけではお客様には響きません。ベンダー側は、多くの情報を提供しなければならないと実感しています。当社では、お客様のご要件に応えてカスタマイズできる「使える」、導入からサポートまでを一貫して実施する「おまかせ」、これまで培ってきたネットワーク/セキュリティの技術力と、自社運営のサポートセンターでサポートする「安心」を訴えています。お陰様で、すでに500社以上の導入実績をもち、高い信頼を得ています。こうした強みを活かし、お客様を増やしていきたいと思っています。
──市場の方向性は…。
岩上 オンデマンドサービスは、グループウェアなど情報系アプリケーションで主流になるとの見方が強まっていますが、実はセキュリティ対策や運用管理などのほうが向いている。ユーザー企業にとっては、アウトソーシングとして手軽に運用を任せられるからです。また、以前は、特に操作ログなどの情報を外部に出したくない企業が大半を占めておりましたが、最近の調査結果では、ログのデーターを外部に出したくない企業は、10%切っています。
人手不足とはいえ、SMBでもクライアントPCの管理や情報漏えい対策は行わなければならない。一方、ユーザー企業はクラウドサービスの契約形態として、サービスプロバイダに加え、身近なSIerなどから導入したいという要望があります。このようなSMBを取り巻く環境を捉えると、資産管理やセキュリティ対策に需要が増える可能性はあります。
──市場への見方を踏まえて、今後はどのような取り組みを行うのでしょうか。
松本 現在はお客様へ直接、及びサービス事業者様などを通じてサービスを提供していますが、今後はよりお客様に身近な販売パートナー様にもお取り扱いいただけるように「OnDemand シリーズ」を拡販していきたいと考えています。
──ありがとうございました。
「ASP・SaaS部門 支援業務系 グランプリ」を受賞
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