Special Issue

<セキュリティソリューション特集>情報セキュリティへの投資意欲高まる

2010/04/28 19:56

週刊BCN 2010年04月26日vol.1331掲載

スカパーJSAT
クラウド・ストレージ提供拡大の基盤が整う
「S*Plex3」で適切な危機管理へ

衛星事業本部事業開発部
マネージャー
加藤 健氏
 スカパーJSATが、クラウド・ストレージサービスの提供を拡大する基盤を整えた。独自に開発した「S*Plex3 Technology(エスプレックススリーテクノロジー)」をベースに、適切な危機管理ができることをアピール。加えてこの技術を生かしてインテグレータやサービスプロバイダなどとのアライアンスを実現している。これにより大手企業だけでなくSMB(中堅・中小企業)から医療分野までを対象に顧客の開拓を図る。

 スカパーJSATは「S*Plex3 クラウド・ストレージサービス」を提供。サービス化に踏み切ったのは、衛星通信と放送の事業を手がけていることが背景にある。衛星通信サービスは、通常、危機管理や非常時対応、BCP(事業継続計画)の観点から、官公庁や公益法人などが利用するケースが多い。「市場を調査したところ、コスト面などを理由に災害対策を施していない企業が多いことが分かりました。そこで、そこに対しリーズナブルに提供できないかと考え、サービス化の検討を開始しました」と、衛星事業本部事業開発部マネージャーの加藤健氏は語る。

 「S*Plex3 クラウド・ストレージサービス」は、衛星通信・放送の基礎技術である消失訂正符号技術を応用したのが特徴。この技術によって、情報の暗号化・冗長化した情報の断片化を可能としている。「情報セキュリティ対策としては、社外からのアクセスをシャットアウトし、情報漏えいを防ぐシステムを構築が一般的。しかし、大量なデータを様々なポイントで管理しなければならない現在の状況では、運用やシステム構築がコスト高になってしまう。そこで、消失訂正符号技術を利用しセキュリティ対策をしっかりと作りこんだクラウド型基盤サービスとすれば、漏えい対策を超えて安全な企業間情報共有環境まで実現できると判断しました」と、加藤氏は説明する。大規模災害にも備えるため、同社では国内各地のデータセンター(DC)を所有するインテグレータやサービスプロバイダなどとのパートナーシップ「Disaster Survivable Alliance」を実現。現在5社と協業している。こうした取り組みによって、クラウドサービス提供の基盤を整えた。

 現段階では、アライアンスを組んだDC経由でサービスを提供しているが、「今後は、DC所有のインテグレータ様とのアライアンスを増やすほか、当社のサービスを販売してくださるベンダー様を販売パートナーとして獲得していきます」と、加藤氏は意気込む。5年後には、売上高40億円規模を見込んでいる。

 なお、このサービスはリードエクシビジョンジャパン開催の「情報セキュリティEXPO」で出展するほか、アライアンスパートナー企業である北海道総合通信網の「クラウド・コンピューティングEXPO」内ブースとの連携を予定している。



スカパーJSAT=http://www.splex3.com/

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