Special Issue

<ストレージ特集>タンベルグデータ SMB向けバックアップとして最適な「RDX」 テープとHDDの利点を兼ね揃える

2010/04/28 19:56

週刊BCN 2010年04月26日vol.1331掲載

 SMB(中堅・中小企業)に最適なエントリーバックアップとして「RDX」が浮上してきた。「簡単操作」「高耐久性」「高信頼性」を実現しており、テープ装置とHDD装置の両方のメリットを兼ね揃えたデバイスとして需要が拡大する可能性を秘めている。

 「RDX」は、2.5型HDDを取り外し可能なカートリッジ化した製品で、持ち運びできるローエンドのバックアップデバイスとして位置づけられる。USBやSATA接続モデルがあり、ファイルをドラッグ&ドロップで簡単にバックアップができるほか、約1mの高さから落としても壊れにくく塵埃に強いきょう体、高速バックアップなどが特徴になっている。また、価格がテープ装置に比べてリーズナブルであることも売りになる。データ容量は現在、最大で640GB(ギガバイト)まで保存することが可能になっている。

 RDXやテープ装置をベースに、OEM(相手ブランドに製品供給)など多くのビジネスを手がけるタンベルグデータでは、「テープ装置とHDD装置のいいところ取りしたのがRDXなのです」と、代表取締役の松澤正芳氏はアピールする。ワールドワイドでは、ファストフード企業が複数の店舗でデータ保護やコンプライアンスの観点から導入し、簡単な操作やバックアップアップにかかる時間を短縮できることをメリットに挙げているという。また、大容量のデータを別拠点に持ち運びできることに利点を認めて導入しているケースもある。

 国内では、「簡単にバックアップができるので、SMBの需要を開拓できると思います」と、松澤氏は期待する。SMB市場で必要なデータのバックアップや最新データのリカバリなどで導入する需要が眠っているというわけだ。また、大企業で部門内のデータ管理に活用する用途もある。ほかにも、映像や画像など大容量データの保存や編集に向けた受け渡しなどで活用するケースも出てきそうだ。タンベルグデータでは、「ユーザー層は幅広いといえますが、なかでも300人規模までの企業や部門などでニーズがあるのでは」とみている。

 最近は、データの管理や保護などの観点で、大企業に限らずSOHOや中小企業でもバックアップ運用の新規導入や見直し、バックアップシステムのリプレース案件が出てくるとの見方がある。このような需要を掘り起こすうえでポイントになってくるのは、簡単でしかも低価格であるかどうかだ。

 とくに、新たにバックアップの運用開始を検討しているユーザー企業にとっては「まずは手軽に導入したい」といったニーズがあるはず。また「DAT(デジタル・オーディオ・テープ)/DDS(デジタル・データ・ストレージ)のリプレースで提案するのにも適していると思います」と松澤氏。ストレージ関連の製品・サービスを提供する販社にとって、RDXを新たなバックアップデバイスとしてビジネスを手がければ、案件獲得のチャンスが広がるだろう。



タンベルグデータ=http://www.tandberg.co.jp/

関連記事

タンベルグデータ、代表取締役に松澤正芳氏が就任

タンベルグデータ、圧縮時容量1.6TB、転送速度160MB/秒のテープドライブ

タンベルグデータ、リムーバブルストレージがNECのPCサーバーで採用

タンベルグデータ、「PRIMERGY」用データカートリッジに160GBモデル追加