Special Issue
<ストレージ座談会>成長の機運高まるSMB向けストレージ
2010/04/01 19:56
週刊BCN 2010年03月29日vol.1327掲載
出席者:
EMCジャパン
テクノロジー・ソリューションズ本部
プロダクト・ソリューション統括部 マネージャ
中野逸子氏
日本アイ・ビー・エム
システム製品テクニカル・セールス
ストレージ・テクニカル・セールス
ソリューション担当部長
システムズ&テクノロジー・エバンジェリスト
佐野正和氏
NEC
ITプラットフォームマーケティング本部
統括マネージャー
中山儒一氏
日本ヒューレット・パッカード
エンタープライズストレージ・サーバ事業統括
ストレージワークスビジネス本部
プロダクトマーケティング部 担当マネージャ
瀧澤一彦氏
司会:「週刊BCN」編集部 佐相彰彦
前面に押し出す提案で
ハード事業拡大も
市場環境が厳しかった09年10年につながる取り組みが進む
──まずは簡単な自己紹介と、所属する組織や部門の位置づけなどをお教えください。
中野 EMCジャパンの中野です。当社は、昨年末、日本での製品提供体制を強化するため、製品担当プリセールスとプロダクトマーケティングを統合しまして、プロダクト&ソリューションという組織を設置したのですが、そのなかで主にミッドレンジの分野を担当しております。
中山 NECの中山です。サーバーとストレージ、ソフトウェアのマーティングを手がけるITプラットマーケティング本部のなかで、ストレージを中心に統括しております。
佐野 日本アイ・ビー・エムの佐野です。ストレージソリューションを担当するほか、エバンジェリストとしてパートナー企業様やユーザー企業様と接しております。
瀧澤 日本ヒューレット・パッカードの瀧澤です。サーバーとストレージ、ネットワークを網羅する部署で、主にミッドレンジからエントリーモデルのストレージ関連製品を担当しています。
──それでは、本論に入ります。09年を振り返ると、IT業界は多くのビジネスで「厳しかった」という話を聞きます。ストレージビジネスは、どのような状況だったでしょうか。
NEC 中山儒一氏 |
ただ、昨年10月以降、ストレージに対するニーズが高まってきているなど、明るい兆しも出てきています。潮目が変わってきているのではないでしょうか。例を挙げれば、エントリーモデルの「iStorage E1」は好調で、徐々に出荷台数が増えている状況です。
佐野(日本IBM) サーバービジネスが良くなかったという点で、厳しかったといわざるを得ない年でした。しかしストレージに関しては、堅調だったといえます。
ユーザー企業様は、導入コストの低減に注目されていた。極端な話をすれば、システムが「停まってもいい」「24時間いつでも動いていなくてもいい」などといった声があり、こうした要望に応えた案件があったのも事実です。しかし、年が明けてから、状況は様変わりしています。これには、重複除外機能の搭載や、小型NASの追加など製品ラインアップの拡充が効いたと自負しています。パートナー企業様は、サーバーの付属としてではなく、ストレージを前面に押し出して販売してくださっています。
瀧澤(日本HP) 皆様がおっしゃっているように、市場環境は厳しかった。当社もサーバーの販売が落ち込み、ストレージも後に続くといったような状況に陥りました。また、投資抑制による案件規模の縮小や延期などが出ました。ユーザー企業様も「コスト削減」を要望されるケースが多かったので、導入コストを抑える提案を進めていました。ただ、昨年の今頃が底で、今年は復調傾向です。サーバーの回復とともにストレージも伸びている。決して楽観はできませんが、今年半ば以降は期待できるのではないでしょうか。
また、昨年は、iSCSIのスケールアウト型ストレージである「HP LeftHand P4000」シリーズを発表し、各方面からのご評価が結果に結びつき、おかげさまで製品の立ち上がりは良かったと考えています。