Special Issue
<カスペルスキーラブスジャパン特集>SDKを活用した独自セキュリティサービス「常時安全セキュリティ24」
2010/02/25 19:55
週刊BCN 2010年02月22日vol.1322掲載
ネットワークとクライアントで二重の守り
──まずは会社概要を教えてください。ニフティ ISP事業本部 CSビジネス部 柳舘一彦部長 |
──競合のISPでもセキュリティサービスを提供していますが、御社のセキュリティサービスの強みについて教えてください。
柳舘 競合他社さんはセキュリティベンダーの製品を月額提供版という形でそのまま販売しています。私どもは03年6月から「@niftyBBセキュリティ」というセキュリティサービスを展開し、ネットワーク側からウイルスを駆除してユーザーを保護する仕組みを開発、提供してきました。その後、04年11月に「常時安全セキュリティ 24」を新たにリリースしました。このネーミングには、高速で常時接続の光ファイバーを利用する顧客に使ってもらいたいという願いが込められています。最近ではウイルスが巧妙になり、暗号化通信やP2P通信といったさまざまな経路を介してPCに侵入するようになりました。そこで当社では、ネットワーク側での防御に加え、パソコン側にアンチウイルスソフトを配布して二重のセキュリティを提供するようにしました。パソコン側のソフトは、カスペルスキーからSDKの供給を受けて開発しました。パソコン側とネットワーク側で二重に防御し、さらにVPNによって当社のデータセンターを介して通信することで、マルウェアや不正アクセスをしっかりと遮断できるようになりました。
──国内には、世界的に有名なセキュリティベンダーがあります。そんななかで、なぜカスペルスキーを採用したのですか。
柳舘 「AV-Comparatives.org」など第三者機関のテスト結果を参考にして、最終的に自分たちで使ってみて評価が高かったベンダーを採用しました。カスペルスキーは、動作が比較的軽いだけでなく、検体を入手してからパターンファイルを提供するまでの時間がとても短いという特長があります。このことからも、カスペルスキーの研究員が大変優秀だということがわかります。この質と技術力の高さが、採用の決め手となりました。
──そのカスペルスキーに、さらに期待されることはありますか。
柳舘 ウイルスを入手してからパターンファイルを作るという従来のサイクルでは、対応が間に合わなくなり始めています。先に申し上げた通り、ウイルスは巧妙化し、特定の相手を狙った攻撃が増加していることなどにより、検体の入手が難しくなっています。この点に関しては、セキュリティベンダー各社から未知の脅威を防ぐ機能が提供されていますが、どのベンダーも誤検知が避けられない状況でしょう。誤検知はビジネスリスクにつながります。誤検知が発生すると、対策に時間とコストを要しますから、パターンファイルに頼らない、未知の脅威に対抗する手段の研究開発をさらに進めてほしいですね。
──今後は、どのような展開を考えておられますか。
柳舘 カスペルスキーの調査能力と、われわれセキュリティサービスを運営する会社が、日ごろの業務の中で発見したさまざまな情報を組み合わせることで、安全なネットワーク環境を提供していきたいですね。セキュリティ対策は時間との戦いですから、ユーザーにリスクが及ばないよう継続的に協力していく必要があります。カスペルスキーには、日本市場でコンシューマだけでなく、法人製品でも『アンチマルウェアベンダーにカスペルスキーあり』という存在感を示してほしい。それによって、われわれは製品・サービスで「信頼」という大きなメリットが得られると思っています。
──本紙の読者のなかには、御社のサービスを使っている、もしくはこれから使い始めるユーザーがおられるかと思います。そういった方々に一言お願いします。
柳舘 ユーザーとパートナーシップを築いたうえで、リスク軽減のために日々運用していくことが当社の使命です。今はモバイルでのインターネット接続など、ネットワーク利用の幅が広がっていますが、併せてセキュリティをベースに新たなサービスも随時模索していきたいと考えています。ニフティが提供している「常時安全セキュリティ 24」やカスペルスキーの今後にご期待いただきたいと思います。
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