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サンディスク 徹底的な「付加価値」製品で3年連続トップシェアの快挙
2010/01/28 19:55
週刊BCN 2010年01月25日vol.1318掲載
メモリカード部門 | |
大容量と高速のハイパフォーマンスにフォーカス
価格二極化の状況下でユーザーにマッチした製品を投入
マーケティング部 ディレクター 大木 和彦 氏 |
そのようななか、フラッシュメモリカードメーカーの大手としてワールドワイドで名を轟かせているサンディスクでは、一線を画す戦略をとった。メモリカードがハードを生かす製品であることを訴求。マーケティング部ディレクターの大木和彦氏は、「徹底的に付加価値を訴求しました」と語る。
まずとった策として実施したのは、大容量化のニーズをユーザーに提言してきたことだ。大木氏は、「デジタル一眼レフカメラをはじめ、携帯電話のカメラ機能強化やゲーム機のカードスロット内蔵などで、ユーザーがメモリカードに求める容量はますます増える傾向にあります。昨年11月にPSP goが販売されましたが、16GBのメモリが内蔵されていることが影響して、メモリースティックマイクロ(M2)の16GBが良く売れています」という。次に大容量のデータを処理する上では高速カードが必要だ。「例えば、デジタル一眼レフカメラでは、高解像度のモードに設定して撮影する人が多いので、処理速度を上げてシャッターチャンスを逃さないことが重要になってきます。また、撮影データを保存する際も処理速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じるのではないでしょうか」とみている。
ユーザー、特にプロ志向の高い方のニーズに応えた究極の製品は、コンパクトフラッシュカードの「エクストリーム プロ」だ。世界最速の大容量カードとなるこの製品は、64GBの容量に超高速90MB/秒の読取り/書込みを実現している。このような製品を市場にいち早く投入することにより、一段と多くのユーザーから支持を得た。同社はワールドワイドで確固たる地位を築き、日本でも多くのユーザーが絶対的な信頼を寄せている。ハイパフォーマンスのメモリカードを市場投入したことで、09年後半には高付加価値のメモリカードを求めるユーザーが増え、同社の製品を購入する傾向が一段と高まった。これがBCNランキングで3年連続トップシェアを獲得した所以である。
付属品の価格は10%を訴え
販売店の利益確保につなげる
メモリカード部門 |
付加価値を追求するのは製品だけにとどまらない。販売促進で、メモリカード業界で他社が無機質になりつつあるプロモーションを「根底から覆します」(大木氏)という方針を示している。
例を挙げれば、ナショナルジオグラフィックチャンネルとタイアップし、「地球を記録に残したい。」というキャッチフレーズで、「美しい地球の姿を次の世代へ伝えていく」というコンセプトを通じて、今ここにしかない一瞬を高品質の写真や映像で撮るだけでなく、サンディスクの安心のメモリカードに残すことにもこだわっていただきたいとアピールしている。こうした取り組みは、“デジタル写真が価値あるもの”を訴求する目的がある。大木氏は、「撮影のワクワク感や写真や映像を記録していくことの楽しさは“プライスレス”であるということを伝えていきたいと考えています。そのなかで付加価値のあるメモリカードを訴えます」としている。また、スペックを説明したPOPや注文カードなどでユーザーが適したメモリカードを購入しやすい環境も整えている。
サンディスクがワールドワイドにおいてフラッシュメモリカードのトップベンダーに君臨し、多くのユーザーから信頼されているのは、製品面や販売面などで付加価値の提供に力を入れているためだ。「ユーザーの意識は変化し続けますので、当社も進化し続けなければなりません。10年も引き続き付加価値を追求していきます」と大木氏。メモリカードが、買う側であるユーザーと売る側である販売店の双方にメリットをもたらす重要な製品と訴えることに挑戦し続ける。
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