Special Issue

<コスト最適化特集>必要なとき、必要な分だけ リソース供給でコスト最適化

2010/01/21 19:56

週刊BCN 2010年01月18日vol.1317掲載

京セラコミュニケーションシステム
オンデマンドサービスに商機
サービス利用でのコスト削減が可能に

プラットフォーム事業本部
データセンター事業部長
秋枝正治氏
 景気の低迷でコスト削減を迫られている企業にとって、ITリソースの最適化は最優先課題だ。その一環として、ITインフラを再構築しようとする気運が高まり、データセンターの移設、統合の動きが活発になっている。

 京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、インターネットデータセンター「D@TA Center」の新サービスとして、仮想化技術のノウハウを結集したマルチテナント環境を用意し、必要なときに必要なだけITリソースを活用できる従量課金制の「オンデマンドサービス」を提供。これにより、コスト低減のニーズに応えている。

 サービスメニューでは、「オンデマンドサーバ」「オンデマンドストレージ」に加え、2009年11月に「オンデマンドロードバランサ」を追加したことで、ITインフラ全体をオンデマンドで利用できるようになった。オンデマンドの有効活用により、コスト削減目標達成が期待できるサービスだ。

 単なる“場所貸し”とは異なり、「システムインテグレーション、アウトソーシングを機軸とし、顧客の課題を踏まえたコンサルティングからベンダー調整、移行のための動作検証のほか、運用面ではデータセンターに常駐するエンジニアによりインフラからミドルウェアのサポートまで一貫したサービスを提供できるのが強み」(プラットフォーム事業本部 データセンター事業部長の秋枝正治氏)という。

 インフラ構築やハードウェア調達にかかる費用が不要で、納期も短いので迅速なビジネス立ち上げが可能になる。複雑なIT資産管理もKCCSに任せることで、運用管理コストも抑えることができる。

 現在は共同利用型(パブリック)のサービスとして提供しているが、将来的に顧客専用(プライベート)環境として、必要なリソースが利用できるサービスを展開することを計画している。「従来からホスティングの事業を展開していますが、既存ユーザーのなかには複数のデータセンターを利用しておられるお客様も存在します。こうしたサイロ型のシステムを、オンデマンドサービスに置き換えられないかといった提案を行っています」(秋枝氏)。開発環境やメール、ファイルサーバーといった周辺の業務での一時利用が多いが、いずれは基幹業務での利用も促したい考えだ。

 データセンター移設、統合によるシステム基盤の再構築が一段落すると、今後はシステムを1か所に統合するリスクが明確になることにより、投資効果が示しづらかったディザスタリカバリ(DR)用途のニーズも高まると期待している。「DRは、まさしく必要に応じたオンデマンドサービスがマッチするケースであると考えています。必ず、そのニーズが出てくるはずです」(秋枝氏)と力を込める。2010年度以降、新たにDR関連のサービスをリリースしていきたい考えだ。



京セラコミュニケーションシステム=http://www.kccs.co.jp/

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