Special Issue
<給与明細の電子化ソリューション特集>インターコム 「Web給与帳 V3」をリリース
2009/11/19 19:55
週刊BCN 2009年11月16日vol.1309掲載
「紙」の手渡し廃止、コスト削減支援
給与明細書など電子配信ソフトで新版
導入・運用「かんたん」に新バージョンの「Web給金帳 V3」は、給与明細書や賞与明細書、源泉徴収票などを電子化し、従業員向けに明細書をパソコンや携帯電話、複合機へ自動配信するシステムだ。前バージョンと同様に国内で高いシェアを獲得している主要な市販給与計算ソフトと連携ができ、現在使っている帳票イメージそのままの明細書を電子化できるのが特長。対応している給与計算ソフトは「給与奉行」「PCA給与」「給与大臣」「弥生給与」「EXPLANNER/Ai」。これだけ多くの製品と連携できるのは、同社製品だけだ。
「Web給金帳 V3」はまず、初期導入時の設定方法や給与明細配布時の操作方法などが大幅に改善されている。前バージョンでは「インストール作業に手間取り、作業の繁雑さゆえに導入を諦めるユーザー企業があった」(仲澤昌記・企業情報システム事業部営業部課長)ことから、ウィザード式(対話型)で操作画面の「OK」ボタンを押しながら項目を選択するだけで導入できるようにした。
また、重要な個人情報を送付することから、給与明細書関連の作業を行う担当者が悪意をもって不正に配布することを予防する「管理者操作ログ」も新バージョンで機能追加している。
「Web給金帳」は、上記の市販給与ソフトで作成した給与明細データを取り込み、暗号化を施したPDFをデータ形式に自動変換しパソコンなどにWeb環境から自動配信できる。こうした作業は、わずかなクリックで済む。これらの機能により、専用明細書の用紙代や専用プリンタのトナー代と保守費用、遠隔地にある事業所への明細書の郵送費などを削減できる。同社によると、社員500人規模の企業で年間約46万円を削減できるという。
「Web給金帳 V3」では、これら明細書データをパソコンや携帯電話、複合機を利用して取得できるよう幅広いラインアップを揃えている。一般的なのは、会社や自宅のパソコンにメールで送付・取得するケース。このほかに、メール本文形式に自動変換したデータを携帯電話のテキストメールで送付・取得できたり、特に注目されるのは複合機のタッチパネル画面を銀行ATMのような操作で明細をプリントアウトできることだ。
販社に商談ツールを提供
給与明細などの電子配布が法的に認められたのは、2007年1月「所得税法」改正からだ。同社の「Web給金帳」はこれを機に販売本数を伸ばした。ただ、パソコンが従業員に行き渡る一般オフィスには、導入が進んだものの「工場に勤務する従業員やパートタイマー、アルバイトなどパソコンが支給されていない従業員の多い企業では利用できない。幅広く利用できるように機能改善をしてきた」(仲澤課長)と話す。
これまでに「Web給金帳」は、主要プリンタメーカーの複合機に対応してきた。仲澤課長は「『ペーパーレス』で環境配慮やコスト削減を享受できる利用者を増やしたい」と、「紙」での手渡しを廃止し、コスト削減を実現したいという企業の要望に応えるためバージョンアップ版で導入のしやすさと幅広い環境への対応にこだわったという。現在同社では、パソコン、携帯電話、複合機に次ぐ「第4の機器」に配信する仕組みを模索中だ。
同社はこれまで、「Web給金帳」のアライアンス先として、給与計算ソフトを開発・販売する業務ソフトメーカーや送付先のパソコンや複合機などと連携してきた。さらに、給与明細書の電子化や作成・配布業務を代行するシェアードサービス事業会社へのシステム提供を行ってきた。
こうしたアライアンスを今後も強化する一方、「Web給金帳 V3」では、業務ソフトや事務機器を販売するパートナーの獲得を本格化させる。「製品を販売パートナーに理解していただいて、ユーザー企業のために最善の提案をしていただくための『勉強会』を頻繁に開き、商談ツールも、いままで以上に提供する」(嶋田健吾・企業情報システム事業部営業部ネットワークシステム営業課係長)と、パートナーが売りやすくするための支援体制を強化している。
業務ソフトや事務機器などの販社は、不況の影響で頭打ちの既存商材だけでなく、ユーザー企業へ新たに訴求できる商材を探している。こうした販社に対して、「Web給金帳 V3」は「売れる」商材として注目を集めそうだ。
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