Special Issue
<HDE×エフセキュア特別対談>中堅・中小企業向けのメールセキュリティアプライアンスサーバ「tapirus Mi1000」を発表
2009/11/19 19:55
週刊BCN 2009年11月16日vol.1309掲載
スイート製品に注目集まる 脅威の出入口に対策を
──情報漏えいを防ぐという観点から企業の間でセキュリティのニーズが高まる一方ですが、まずは市場環境をどう見ておられるかについてお聞かせください。桜田 とくに電子メールとWebの分野でのセキュリティ製品が伸長していますね。市場全体の需要としては、単機能の製品ではなく複数機能を統合した、いわゆるスイート製品の方向に向かっていると感じています。
小椋 これまでメールセキュリティは、個別のニーズに応えられる単機能の製品が好まれてきました。市場の傾向も、ベストな製品を導入して、盤石の体制を整えようという雰囲気があったように思います。しかし、単機能の製品を導入した結果、マルチベンダー環境となり、管理・運用面で工数がかかり始めています。スイート製品であれば、お客様にとって窓口が一本化されるので、非常にシンプルになります。
桜田 メールの利用範囲は広がっていますね。ウェブメールが広がっていますし、携帯電話のプッシュメールもコミュニケーションに欠かせないものになっています。その一方で、ウイルスの脅威やフィッシング詐欺などの犯罪行為の増加、機密情報の漏えいなどさまざまな脅威の出入口ともなっています。この部分を対策すれば、非常に効率よくセキュリティ対策が施せることになります。メールセキュリティに重点を置くことは、ごく自然な流れだと思います。
検知の高さと誤検知の低さを両立 手離れのよい商材を提供
──HDEとエフセキュア、両社の協業について、その経緯などを教えてください。小椋 エフセキュア様とのおつき合いは非常に古いですね。HDE Anti-Virusシリーズのコアエンジンとしても採用しています。パフォーマンスやウイルス検知率が高く、安心して利用しています。当然、tapirusの企画を進める際も、アンチウイルスであれば、エフセキュア様にお願いしようと考えていました。
桜田 当社のアンチウイルスの検出率は非常に高く、AV-Test.orgのテストなどで、常にトップ5に入っています。年間で数百万から数千万ものウイルスが登場するなかで、検出率を上げていかなければ、それだけ多くのウイルスの脅威にさらされることになります。また、アンチウイルスソリューションは、検出率が高いことに加え、誤検知しにくいことが求められます。いくら検出率が高くても、問題のないアプリケーションまで止めてしまっては、業務に支障がでてしまいますからね。そのような部分も含め、当社は検知率と誤検知率双方の視点から研究を進め、クオリティの高いエンジンの提供を実現しています。
小椋 クライアントPCにも、対策ソフトが入っているのだから、ゲートウェイではある程度の脅威を減らせればいい、という考え方もあります。このようなゲートウェイでの対策は、あくまでトラフィックを減らすために利用されています。しかし、tapirusの考え方は全く異なります。tapirusを入れておけばメールセキュリティの心配はいらない、そのような製品にしたいと考えていました。そのため、アンチウイルスや迷惑メール対策のエンジンも定評のあるエンジンを搭載しているのです。
tapirusは、全国に150万社あるといわれている中堅・中小企業に向けて、適切な機能で適切な価格帯のアプライアンスを提供したいという理念で開発しています。エフセキュア様にも、その理念に賛同いただけたからこそ、今回の協業が実現しているのです。
中堅・中小企業向けに メールセキュリティアプライアンスサーバ 「tapirus(タピルス)Mi1000」 |
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小椋 繰り返しになりますが、tapirusは中堅・中小企業に向けたメールセキュリティソリューションです。競合他社製品と機能数を比較すると、差がでないかもしれませんが、その中身については、非常にこだわっています。また、価格も抑え、導入しやすい価格帯とし、次年度サポート更新料もリーズナブルな価格設定にしました。大きなポイントはこの2点です。余談ですが、tapirusは内部的に仮想化技術を利用しており、ハードウェアに依存しない環境の移行なども可能です。将来的な拡張にも、この機能は優位に働くと考えています。
──最後に、販売パートナー様へ一言お願いします。
桜田 これまでのHDE様のパートナー様はSIer様が多かったように思います。tapirusはSIer様のみならず、NIer様にも扱いやすい商材となるでしょう。新しいパートナー様をHDE様と共に開拓し、新しい市場をつくっていきたいと思います。
小椋 ソフトウェアとハードウェアが一体となっているアプライアンスで、サポート窓口も一本化できます。企業様に対して提案しやすく、販売パートナー様にとっては、手離れがよく販売しやすい商材だと思います。各業種でモデル事例を作り、それを横展開していきたいと考えています。実績を築いていって横展開することで、パートナー様の提案の材料を増やしていけると考えています。
──ありがとうございました。
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