Special Issue
<文教市場特集>トレンドマイクロ 文教市場向けセキュリティ製品を強化
2009/10/29 19:55
週刊BCN 2009年10月26日vol.1306掲載
手間・邪魔・隙間のないWeb規制実現
アンチウイルス製品は学校の半数に導入同社が10年ほど前から販売している教育機関向けクライアントPC・サーバー用のアンチウイルス製品である「エデュケーションパック」は、小中高校のコンピュータ教室への導入数が2万校(2009年3月現在)を越え、全国の小中高等学校数に占める導入シェアは53.9%(当社登録顧客数による)に達する。
また最近では、学校PCから有害サイトへアクセスを規制するニーズが高まっていることから、従来のエデュケーションパックシリーズにURLフィルタリングの「InterScan WebManager」を組み合わせた「Client/Server フィルタリング エデュケーションパックPlus」を文教向けの特別パッケージとして製品化し、3月3日に発売した。
同製品はアンチウイルスやファイアウォール機能、Webレピュテーション(評価値)機能、URLフィルタリングによる有害サイト閲覧制限機能などをワンパッケージにした。従来のエデュケーションパックシリーズと同じく、同製品も1学校内であれば何台でも使用でき、ライセンスの追加購入は必要ない。
文科省の「スクール・ニューディール構想」では、コンピュータ教室の未整備分PCに加え、普通教室の教育用PC、職員室で使う校務用PCを整備する予算が計上され、校内LAN環境の導入も加速することが予想されている。
また同製品は、コンピュータ教室だけでなく職員室のPCや教職員の持ち込みPCにもインストールできる。ウイルス感染などの危険性があるサイトへのアクセスを防ぐWebレピュテーションと、有害サイトへのアクセスを規制するURLフィルタリングを併用し、これまでのウイルス対策に加え、Webアクセス環境を安全・快適に保つ。「多重防御でさらに大きな安全を実現する」(瀬戸弘和・マーケティング本部エンタープライズマーケティンググループ部長代行)と、学校に安全・快適なWeb規制が必要と訴える。
このため同社では文教市場に向けて、さらなる多重防御策を講じることができるアプライアンス製品「InterScan WebManager Lite」をリリースした。同製品は、ネットワークにプラグインするだけで追加利用できる透過型ブリッジ方式を採用した。
また本製品は、ネットワークの構成変更やプロキシサーバとして動作させる必要がない。通常のURLフィルタリングは、プロキシサーバとして動作させるが、本製品は既存のネットワークに接続するだけで活用できる。具体的には、既存ネットワークのルータとスイッチの間のWAN/LANポートに接続するだけで利用できるほか、運用管理もWebブラウザで誰もが管理者になれるほど簡単に扱え、IT担当者が不足する学校の実態に応じた製品といえる。
文教市場を得意とするSIerとともに拡販へ
「Client/Server フィルタリング エデュケーションパック Plus」および「InterScan WebManager Lite」を文教市場向けに提供を促す理由について瀬戸氏はこう語る。「従来のURLフィルタリングは、安全だが業務に不必要なサイトと、危険なサイトを制御した。InterScan WebManager Liteを併用することで、業務に必要であっても危険なサイトをWebレピュテーションで脅威を自動検出しブロックできる。『手間・邪魔・隙間のないWeb規制』を提供する」。大人以上にWeb知識が豊富な児童・生徒も存在し、「教員が予想のつかない想定外の操作で脅威にさらされる危険性がある」(同)。
教育委員会のセンターなど拠点施設へセキュリティ対策を集約する動きが活発化しているため、各学校ごとにもセンターへも導入できるように今回の2製品の提供を決めたという。
同社は、この2製品を内田洋行など「文教市場」を得意とするSIerと共同で拡販する計画だ。この2製品をSIerが販売するメリットについて瀬戸氏は、「現在、アンチウイルス製品で高いシェアを誇り、すでにエデュケーションパックを導入している学校やセンターに対して付加製品として提案できる。最近のSIerは、こうしたセキュリティ対策としてUTMを提供しているが、UTMは一度導入すると派生的な販売ができない。このUTMの導入先に対しても2台目としてInterScan WebManager Liteは提案できる」と、パートナーとユーザーに付加価値をもたらす製品であることを強調する。
InterScan WebManager Liteは、設置・接続が楽なため専門知識がなくても容易に活用でき、学校や教育委員会の実状に応じて提供できるため、事務機ディーラーや地場SIerなどを含めた幅広い層のパートナーに利益をもたらす製品として市場を拡大することができそうだ。
内田洋行
「安心・安全」がキーワードに
内田洋行の教育・学校分野向けの事業は、教育用コンピュータシステムの導入やITを利用した教育の効率化に取り組むICTをはじめ、小中学校における「教科型教室」や「オープン教室」など、教育現場のニーズを的確に捉えた環境学校用施設、設備の提供など、従来の教材・教具にとどまらない包括的なものになっています。
こうした取り組みの中で、「安全・安心」は重要なキーワードとなっており、教材や教具、施設だけでなくICTにおいてもコンピュータシステムの安全性は大きなテーマになっています。
近年、小中学校におけるパソコン普及台数は増える傾向にありますが、教育関係者をはじめ、教員の皆さんや生徒への情報セキュリティの確保は待ったなしの状況にあります。ウイルス対策はもちろんのこと、インターネットを利用した情報教育のなかで、有害サイトへのアクセス制限やいじめの温床と指摘されている学校裏サイトへの書き込み制限などはその最たるものと言えるでしょう。学校に必要なインターネットセキュリティ対策は、「セキュリティ対策の視える化」「簡単に導入」「既存環境に優しく」そして、「リーズナブルな価格」であることが必要です。当社としても、これらのニーズを満たすソリューションを多くの学校現場に導入して頂きたいと考えております。
こうした問題に、当社ではトレンドマイクロ株式会社のウイルス対策製品「エデュケーションパック」を中心に展開してきました。
「WebManager Lite」は「エデュケーションパック」のように導入しやすいライセンス体系で、しかも透過型のアプライアンスなので、こうした当社の方向性に合っていると思います。透過型ブリッジ型なので、プロキシーのように外部からの攻撃対象になりにくく、ウェブアクセスも100名の同時アクセス程度なら十分対応できると聞いているので、小中学校や大学の環境に向いていると思います。
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