Special Issue
<セキュリティソリューション特集>相次ぐ情報漏えい――いかに防ぐか
2009/10/22 19:56
週刊BCN 2009年10月19日vol.1305掲載
ソリトンシステムズ
『Net'Attest FileZen』バージョンアップ GUI強化と「めるあど便」を追加
ソリトンシステムズは、「自社の管理下で機密情報や大容量のファイルを共有したい」というニーズから生まれたファイル転送アプライアンス『Net'Attest FileZen』を今年4月に発売し、現在も市場を広げている。「発売から約半年が経過し、お客様からいろいろなご要望が届いております。その声に応えて、近々バージョンアップを予定しています」と語るのは、マーケティング本部・オリジナルプロダクトマーケティング部・担当課長の根本浩一朗氏だ。その新バージョン『Net'Attest FileZen Ver.2.0』では、GUIの大幅な変更と、「めるあど便」という新機能が追加されているという。これまでの『Net'Attest FileZen』のインターフェースは、業務系ウェブアプリケーションによく見られる「文字」を主体としたものだった。マニュアルに沿って操作すれば、問題なくファイル転送などを行えるものの、操作を習得するために、若干ながら時間を必要とする場合もあった。
「今回の『Net'Attest FileZen Ver.2.0』では、“誰が見ても説明書なしに使っていただけるようにしたい”という思いで開発しました。そこで今回、アイコンなどを多用し、直感的に操作できるGUIにしました」(根本氏)。
また、これまでの「プロジェクト」機能は本来関係者専用の一時共有フォルダとして、利用者全員のアカウントを登録して利用する。そのため、「顧客に資料を送る」といった1回限りの利用に関しても受信者のアカウント登録が必要だった。この方法では、アカウントが膨大に必要になり、管理上の懸念も増えてしまう。
しかし、新機能として追加された「めるあど便」という機能を使えば、アカウント登録していないユーザーへも安全なファイル送信ができる。
「外部へのファイル送付は社内規定等により上長の承認や同報が必須なケースも多いですが、“めるあど便”は、規定に合わせ、事前に上長の承認を得てからの送信を必須にすることもできます」(根本氏)。
これまでメールの誤送信による情報漏えいが問題となっていたが、「めるあど便」を使えば、メールシステムに変更を加えることなくセキュアなファイルを転送できる。「めるあど便」の利用で『Net'Attest FileZen』の活用の幅はさらに大きく広がるだろう。
ソリトンシステムズ=http://www.soliton.co.jp/
デジタルアーツ
「i-FILTER EndPoint Controller」を拡販
広範企業へ持ち出しPC対策製品を提供
会社で貸与した社外持ち出し用のパソコンから重要情報が流出する事件が相次いで起きている。管理の目が届かないモバイル環境でのインターネット利用は、場所を問わず利用できて便利になった反面、掲示板への書き込みやフリーのファイル転送サービスなどから情報を漏らす不正利用を助長させている。情報セキュリティメーカーのデジタルアーツは、こうした持ち出しパソコン向けのセキュリティ対策となる新製品「i-FILTER EndPoint Controller(EPC)」を、競合他社より格安の1クライント当たり3000円程度の低価格で販売を開始した。
同製品は、業界トップの導入実績を誇る企業・官公庁向けWebフィルタリングソフトウェア「i-FILTER」と連携して動作する。同社ではまず、中堅・大企業を中心に導入されている「i-FILTER」ユーザー向けに追加販売を促進するほか、低価格を武器に中堅・中小企業(SMB)への営業展開を積極化する計画だ。
EPCは「i-FILTER」で設定した基本的なWebフィルタリングポリシーを自動的に引き継ぐことができる。既存の社内ポリシーをそのままにモバイル環境へも適応・保持でき、持ち出しパソコンへの煩雑な設定作業が必要ない。
また、モバイル環境時のアクセスログや検索単語を記録できるため、ノートパソコンの利用場所を問わずセキュリティレベルを維持でき内部統制対策にもなる。
綿貫敦記・営業部パートナー営業第2グループマネージャーは「プロキシサーバーのポリシーをEPCに適応できるため、改めてノートパソコン向けにポリシーを設定する必要がない。このことは、競合製品に対して有利で、販売パートナーの導入の手間も省け、売りやすい製品になっている。さらに、『Windows Installer』にも対応しているため、導入は簡単」と、他社製品より低価格であることや「i-FILTER」の知名度が高いことを含め、販売機会を増やす効果があるという。
EPCの販売は、主に1次店とディストリビュータ6社経由で展開するほか、大塚商会など有力2次店と連携してSMB向けを中心に訴求していく方針だ。綿貫マネージャーは「EPCは、既存サーバーを利用して導入できるため安価に提供できる。今後、企業のサーバーは仮想化環境が普及し、その先にクラウド/SaaSでのIT利用が増えてくる。
こうした利用環境でも持ち出しパソコンは増える一方で、パンデミック対策での自宅勤務や残業が規制され自宅にパソコンを持ち帰る作業が多くなり、Webフィルタリングの需要は確実に増える」と、先々を見通した営業戦略を立てている。
「i-FILTER」は94カテゴリーに分けて業務・役職に応じてパスワードを入力することで、規制対象のWebサイトを閲覧可能にしたり、Web経由の情報漏えいを阻止できる。このため、「i-FILTER」と連携するEPCは、他社製品と競合した場合の勝率が高い。「持ち出しパソコンのインターネット利用を監視していることが抑止につながる」(綿貫マネージャー)と、利用ニーズの拡大もあり、今後3年間で3万ライセンスという強気の販売計画を立てている。
デジタルアーツ=http://www.daj.jp/