Special Issue

<データセンタービジネス特集>多様化進むデータセンターサービス

2009/07/23 19:56

週刊BCN 2009年07月20日vol.1293掲載

リンク
新しいデータセンターサービスを開始
ホスティングとハウジングのメリットが融合

 国内最大級の専用ホスティングサービスを手がけるリンク(東京都港区、岡田元治社長)とエーティーワークス(富山市、伊東孝悦社長)が、まったく新しいタイプのデータセンター(DC)サービス「at+link コロケーションサービス」を始めた。ユーザーのニーズに合わせて選べるサポートと専門のスタッフが 30分以内に駆けつけるオンサイト保守、そして業界最安値の回線料金という、これまでにないサービスだ。

 「at+link コロケーションサービス」は、データセンター(DC)の場所だけ貸すハウジングサービスと、万全なサポート・サービスが得られる専用ホスティングサービスの中間的な位置づけだ。一般的なハウジングサービスはDCの場所を借りるだけなら安いが、サポートは期待できない。ちょっとした障害が起きた場合でもユーザーはDCに足を運んで復旧させる手間がかかる。一方、専用ホスティングではさまざまなサービスを受けられるが、課金単位がサーバー毎になるため、規模が小さければ専用ホスティングのメリットは大きいものの、サーバー台数が数十台におよぶ大規模のシステムではコストがかさむ傾向がみられる。

 そこで打ち出したのが、サービスの内容が選べる新しいメニュー体系を備えた「at+link コロケーションサービス」である。2009年7月から提供を開始したこのサービスの基本構成は、サーバーを収容するラック(1ラックから利用可能)と通信回線、電源管理などのベーシックサポート(無償)の3つ。通信回線は帯域保証型・通信速度が10Mbpsのタイプで月額7万円(税込、以下同じ)と、このタイプでは業界最安値に設定した。ラックと回線のみを使う場合の利用料(初期費用は除く)は、1ラック21万円、回線7万円の月額28万円から利用できる。

クリックで拡大 ユーザーはこの基本構成をベースに、「機器とOSのレンタル」と「サービスレベルが3段階ある保守サポート」を選択することで、自身に最適なサービス体系をカスタマイズ。ユーザーが必要とするサービスレベルを自ら選ぶことで、投資対効果と満足度を高める仕組みだ。機器のレンタルでは、at+linkをリンクと共同で運営するエーティーワークス製のサーバーを提供し、OSは「Red Hat Enterprise Linux」または「Windows Server 2008」のレンタルが可能。エーティーワークス製サーバーでは、常に保守パーツを在庫しているため、常駐スタッフが30分以内に保守作業に取りかかる。

 サービスレベルの内訳をみると、「レベル1」がユーザーのリクエストによる復旧作業。「レベル2」が1の内容にプラスしてシステムを自動監視。異常発生時に素早くユーザーへ通知する。「レベル3」は2の内容とマニュアルによる障害時の初期対応が加わる。at+linkのユーザー分布は、ネット系企業や新規事業を担当する部門、ベンチャー企業など、「初期投資を最小限に抑え、ビジネスの拡大に従って順次拡大していくケースが多い」(サービス開発の中島弘基マネージャー)という。

 おしなべてユーザーのITリテラシーは高く、サービスレベルを自らの判断で選択したいというニーズは高い。リンクでは、今年9月末までラックと回線の初期費用を無料にする「Wゼロ円キャンペーン」を展開し、ユーザー獲得に力を入れる。


リンク=http://co-location.at-link.ad.jp/