Special Issue
<「コスト削減」特集>コスト削減の近道は資産の「正しい管理」と「可視化」
2009/07/03 19:56
週刊BCN 2009年06月29日vol.1290掲載
こうした不祥事を起こすと、社会的な信用が失墜するだけでなく、慰謝料や賠償金、和解金など金銭も必要となり、企業経営に大きな影響を与える。証券会社の例では、慰謝料として情報が流出した顧客1人あたり1万円、合計約5億円分のギフト券を送付すると発表しているし、石川県庁はソフトウェア会社3社に対して4036万円を賠償することで和解している。罰金や営業停止等の法的処分の影響を考えると、その金額はさらに大きくなる。信頼を回復するためとはいえ、その代償はあまりにも大きい。不祥事だけでなく、単なる人為的なミスから発生する事故もまた、同様の結果をもたらす。
IT資産や情報資産を正しく管理し、適切に運用していれば、こうした事件・事故は避けることができたはずだ。起きる前に予防しておけば、よけいな支出もない。つまり「コンプライアンス」は、企業防衛という観点からも必要不可欠となっているのだ。
IT資産や情報資産の正しい管理・運用によって実現するのは、不祥事の防止だけではない。企業内のシステムを「可視化」することで「無駄」が明確になり、経費の節減につながるのだ。世界同時不況によってコスト削減ニーズが高まっている今だからこそ、企業システムを可視化していく必要がある。。
企業は多くのIT機器を導入し、業務の効率化を実現している。機器の数は、増えることはあっても減ることはない。「どこに」「どんな」クライアントPCが稼働していて、「どんなソフトウェアをインストールしているのか」といったことを管理する業務の負荷も同様だ。多くのIT機器を「手作業」で管理することは、もはや不可能になりつつある。。
「IT資産管理」ツールは、クライアントPCのインベントリ情報を取得し、企業システムの現状を可視化する。各クライアントPCのライセンス状況などを管理でき、管理の手間=工数はほとんどかからない。このツールでクライアントPCの状態を可視化すると同時に、クライアントPCの操作ログ収集ツールを導入すれば、企業システムが今どうなっているのか、正しく把握できるようになる。このとき、機密情報の持ち出しなどを「禁止」し、「警告」を発するようにしておけば、冒頭で述べたような事件は未然に防ぐことができる。。
IT資産の管理・運用業務の工数は増える一方だ。しかし、それらを適切に行わなければ、大きな事件・事故を引き起こしかねない。「IT資産管理」ツールを活用し、工数とコストを削減しながら正しく管理・運用していけば、こうした不安を解消できるのだ。