Special Issue

<プリンティングソリューション特集>「エコとコスト削減」が利いてきた!

2009/07/01 19:56

週刊BCN 2009年06月29日vol.1290掲載

リコー
TCO削減とエコで需要創出
ハードとソフトの融合で

 リコーは昨年度(2008年度)後半、一般オフィス向けを中心としたA3カラー機を一新した。このなかでは、高速機となるIPSiO SP C800シリーズを中核に、出力環境を革新するさまざまな機器やソフトウェアなどを融合させ、TCO(総所有コスト)削減、エコ(エコロジーとエコノミー)などを実現する「プリンティング・ソリューション」提案を強化している。

 同社の最新機種には、これまでの搭載機能に加え、エコに関連する多彩な独自機能が拡充された。「IPSiO SP C821/C821M」は、カラープリントがクラス最速の毎分50枚(A4横送り)を実現。同機に限らずPPCのフィニッシャーと同じようにページプリンタで週刊誌のように中綴じ折りができるなど、同等機種で最も優れたフィニッシャーを採用。従来機に比べて生産性を大幅に向上させている。また、消費電力の少ない省エネモード(オフ/スリープモード)から短時間で復帰して使用できる「QSU(Quick Start-Up)」という技術を搭載し、低温定着を可能にする従来の「新カラーP×Pトナー」の採用などと合わせて、環境負荷削減に貢献する機能を積極的に搭載した。宮崎章二・販売事業本部ソリューションマーケティングセンタープリンタ販売計画室室長は「TCOを如何に削減し、CO2排出量を抑えるかということを事前にコンサルティングして示し、既存プリンタ環境の最適配置を提案している」と、複合機や管理・ログ管理、運用業務・環境まで含めハードとソフトの総合力でパートナーと共同で販売促進しているという。

クリックで拡大 現在、テレビCMでは「あなたのオフィス、CO2が見えていますか」というタイトルで「CO2見える化プロジェクト」の実践を伝えている。同プロジェクトでは、製品使用時の消費電力量や用紙出力数をシミュレーションしてCO2排出量に換算し、使用状況と一緒にレポートする。こうしたレポートを提供するためのインフラ・ツール群を揃えている。また「リコー・パートナー・サポート・プログラム(RPSP)」と合わせパートナーと共同でお客様にTCO削減を提案しているのだ。

 また同社では、大手SIerなどと大量導入する際などの煩わしさを解消するため、機種共通ドライバー「RPCS Basicドライバー」を今年1月にリリース。これを使うことで、リコーのMFPやLPの異なる機種に対しても、同じプリンタドライバーを使用して印刷できる。人事異動などでドライバー再設定作業の負担を軽減するツール「Ridoc Ez Installer」などを含め、「入れ替え時のドライバー設定の煩雑さをなくせる」と、宮崎室長は話す。つまり、お客様はもちろん、システムを導入するパートナーにも配慮した戦略なのである。

 このほかにも機器やユーザー別に印刷枚数上限を設定できる「Ridoc IO Gate」などの利用を促し、TCO削減とエコでプリンタ需要を喚起することを狙う。


リコー=http://www.ricoh.co.jp/