Special Issue
<サーバーソリューション>Phase.2 レノボ・ジャパン 加速するx86サーバー事業
2009/06/19 19:55
週刊BCN 2009年06月15日vol.1288掲載
製品拡充、新販社制度でSMB開拓
高品質、低価格を武器にSMBを切り拓く
x86サーバー市場は、国産、外資系を問わず、メーカーがひしめきあう。成長分野とはいえ、新規参入企業がそう簡単に割って入れる市場ではない。個性がなければ存在感を示すことができない、厳しいマーケットである。しかし、レノボ・ジャパンの差別化要素は明確だ。
SMBに適した高信頼性モデルを付加価値をつけて低価格で提供する──。
徹底的に無駄を省いたグローバルレベルのローコスト経営と全世界でビジネス展開できるスケールメリットが生む低価格の訴求性を提示し、SMBに適したツールとサービスを用意。それらを武器に、潜在需要が高いといわれるSMB市場を開拓するのが基本戦略だ。ラインアップは、タワーとラック型の2種類でそれぞれ1ソケットと2ソケットモデルを用意。SMB向け製品に絞って市場に参入した。

レノボは市場参入するにあたり、SMBからのニーズが高いツールを無償で付加した。(1)ハードウェアの基本設定ツール「ThinkServer EasyStartup」(2)ソフトウェアなどの更新専用ツール「同 EasyUpdate」(3)複数サーバーの運用状況を一括監視できるLANDeskとの共同開発ツール「同 EasyManage」の3種類がそれだ。
これらに加えて用意したのが、サポートサービス「ThinkPlusサービス」。複雑になりがちなサポートをパッケージ化し、24時間対応の電話サポートを行う「ThinkPlus Priorityサポート」と、それにオンサイトでのハードウェアインストールやトレーニングを含んだ「ThinkPlus Productivity」をラインアップ。このほか、データのバックアップなども用意している。
SMBには一般的に、情報システム管理の専任者を置くほどの余裕がない。だからこそ、こうした設定・運用ツールを無償で付加するとともに、シンプルなサポートサービスを用意したのだ。低価格だけでなく、こうした導入・運用フェーズのツールとサービスを充実したことに特色がある。
新CPUモデル、無償ツール投入とパートナープログラムを刷新

加えて、無償の付加ツールも新モデル発表と同時にバージョンアップする。サーバーの「設定」「ソフトウェアなどの更新」「運用」でツールを3種類に分けていたが、運用管理をさらに低減させるために、「運用」と「更新」のツールを1種類に統合し、今後は2種類で展開する。
販売施策の面はどうか。レノボが重視しているのは、販売パートナーの支援だ。「PCの販売でおつき合いいただいているパートナーの皆様に、サーバーでもよりよいビジネス環境を用意できるよう、支援プランを用意しました。これまでレノボ製品を取り扱っていなかった販社様にも、魅力を感じてもらえるようにもしています」(長谷川マネージャー)。

「SMBに適した高品質なサーバーを低価格で」という明確な戦略・メッセージで、レノボ・ジャパンは今年度からサーバー事業をさらに加速。PCメーカーとしてだけでなく、サーバーメーカーとしての地位の確立に挑む。
レノボ・ジャパン=http://www.lenovo.com/jp/ja/
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