Special Issue
アイ・オー・データ機器 × 日本IBM 対談 Disk to Diskバックアップと高機能ディスクによる新しいソリューション展開に期待
2009/05/02 19:55
週刊BCN 2009年04月27日vol.1282掲載
ハードウェアはアイ・オー・データ機器
ソフトウェアは日本IBMというソリューション
―今回の協業における製品と市場ニーズについて教えてください。
藪田 「FastBack」は、08年4月に買収を発表したFilesX社との統合後初めての製品であり、特許を取得した業界初のインスタント・リストア機能を持つDisk to Diskのバックアップ・ソフトウェア製品です。データ変更をファイル単位ではなくブロック単位で継続的に取得し、リクエストがあったブロックを優先的に戻す先進的なリストア機能により、今までアプリケーションが停止してから数十時間かかる場合もあった復元作業において数分以内にアプリケーションが使用可能となります。中堅・中小規模企業のお客様、また支店や営業所などの拠点におけるバックアップ製品として注目されています。データ容量が大きくなりテープ・バックアップの運用負荷にお困りのお客様や、バックアップまで手が回っていないというお客様にも提案できる商材だと考えています。
平林 当社の場合、中堅・中小規模のお客様がメインターゲットとなっています。外付けハードディスクやNAS製品は、お客様のニーズに応えながら機能や信頼性を強化してきました。NASの「HDL-GTRシリーズ」の場合、ホットスワップに対応しているほか、HDDをリムーバブルメディアとして運用できる機能や、暗号化ボリューム機能も利用できます。さらに、外付けHDDヘバックアップするためのインターフェースも用意しています。以前より、日本IBM様から「FastBack」のバンドルという提案もあり、なんらかの形で連携できないだろうかと模索するなかで、今回の協業が実現しました。
藪田 IBM社内のテストでは、RHD4-UXEシリーズのe-SATA接続で最大49MB/sというパフォーマンスが出ました。この結果は「FastBack Japan Wiki」にまとめてありますが、このパフォーマンスの高さには非常に驚きました。また、RAID5やホットスワップなどの機能をもつハードディスクと「FastBack」を組み合わせることで、非常に有効なソリューションになるのではないかと直感しました。
平林 バックアップ市場、とくにテープについては当社が得意としている領域よりも高い市場がメインになっていると考えています。テープの場合、バックアップの運用工数やコストが課題となるため、「バックアップは難しい・手間暇がかかる」というイメージが、市場のすそ野の拡大に障壁となっているのは事実です。今回の協業により、お客様にとっては「工数の削減」を、パートナー様にとっては新しい提案を実現する商材として、バックアップ市場のすそ野を広げることができると期待しています。
顧客にとってもパートナーにとってもメリットとなる協業に
―今回の協業による販売戦略などについて教えてください。藪田 「FastBack」による「Disk to Diskバックアップ」は、運用の容易性や迅速なリストアによる事業継続性に重点を置いたソリューションであり、従来の「テープ・バックアップ」ではお応えしきれなかったお客様のご要望にも柔軟に対応できるようになります。さらに、アイ・オー・データ機器様のハードディスクには信頼性を高める多くの機能があり、「FastBack」とそれらの機能を組み合わせることで、お客様のさまざまなご要望にお応えできるソリューションが提案できるようになります。
平林 販路などについてはまだ検討段階ですが、当社と日本IBM様のパートナー様で接点があることがわかってきました。
今後はフェアやイベント、セミナーなどで両社が協業していることを示し、お客様はもちろん、パートナー様の認知が進むように展開しようと考えています。弊社Webページやカタログなどの販促物にも明記するなど、さまざまな展開を予定しています。
藪田 パートナー様にとっても、運用負荷軽減や事業継続性に重点を置かれるお客様や、バックアップまで手が回っていないお客様に新しい提案ができるため、ビジネスチャンスも広がると考えています。お客様とパートナー様のどちらにとってもメリットのあるソリューションになると確信しています。
―ありがとうございました。
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