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<ソフトバンクBB特集>ITと通信の融合が到来!不況でも売れる商材とは

2009/03/31 19:55

週刊BCN 2009年03月30日vol.1278掲載

 IT業界はユーザー企業の投資抑制に直面して厳しい状況にさらされている。そんななか、ソフトバンクBBはIT製品とサービス、通信回線を柱に販売パートナーのビジネス拡大策を模索。ITと通信の融合で、この不況下でも“売り”につながる商材やソリューションの提供に力を注いでいる。実際に、需要を掘り起こすケースも出てきた。果たして、どのような取り組みを進めているのか。

3本柱の事業で体制強化 通信は契約数を順調に拡大

 ソフトバンクBBのコマース&サービス事業は、IT製品のディストリビューション、SaaSやASPなどのサービス、事業用固定電話や携帯電話などの通信回線の3本柱でビジネスを展開している。このビジネスモデルを確立してから、現時点で3年程度が経過。高瀬正一・コマース&サービス統括CP事業推進本部長は、「販売パートナー様にとって有益な製品やサービスを提供できるようになりました」と強調している。実際、固定電話の加入者に関しては「1か月平均で千単位の契約を確保できつつあります」と自信をみせる。

 国内最大規模のIT流通サービスを提供するディストリビューターとして名をはせるソフトバンクBBが順調にビジネスを拡大させているのは、通信事業を柱に加えたことが大きいが、ほかにも理由がある。それは、「ユーザー企業様のニーズに最適な商材を用意していることです」と、高瀬氏は説明する。

 現在、不況下にあって、多くの企業がコスト削減に力を入れている。そんななか、ソフトバンクBBでは「いまやビジネスのライフラインともいえる通信インフラのコストを削減できるメニューを数多く揃えています」(高瀬氏)と胸を張る。例を挙げれば、固定電話の「おとくライン」、携帯電話の「ホワイトプラン」とオプションである割引サービスのセットだ。これらサービスは、それぞれの加入者同士ならば通話が無料になるというもの。

 また、固定電話と携帯電話間の無料通話を実現した「ホワイトライン24」も用意している。ある大手企業は、ソフトバンクBBが販売した回線の加入者となり、さまざまな通信サービスを導入したことで、通信費が約26%削減できたという例も出ている。

 IT業界と通信業界の双方からみて、ソフトバンクBBのポジションはIT関連の製品・サービスと通信を併せ持っている位置にある。これが、他社にはない差別化戦略を展開できる強みとなるわけだ。つまりそれは、販売パートナーの競争力強化につながるといえる。

 「当社とパートナーシップを組んでいただければ、さまざまな角度からユーザー企業様に対して不況に強い提案が行えるようになります」と、高瀬氏は訴える。

通信サービスで新規開拓 販売パートナーの事業拡大につなげる

 多くの製品・サービスをラインアップするソフトバンクBB。では、どのような提案をしていけばユーザー企業を獲得できるのか。


 高瀬氏は、「今はコスト削減の実現性が高い通信サービスの加入を促しながら、IT関連の製品・サービスを提案する手法が良策ではないでしょうか」と示唆する。

 新規顧客については、SIerであれば、IT関連の製品・サービスと回線加入の両輪で提案することによって、双方のどちらかで契約に結びつく可能性がある。

 だが、これまで回線提供をビジネスとして手がけてこなかった販売パートナーにとって、加入者を促進させるのは難しいことかもしれない。そこで、「当社では紹介代理店制度を設けています」と、高瀬氏は説明する。

 これは、ユーザー企業に対して回線加入を提案する際に、販売パートナーに代わってソフトバンクBBの担当者がユーザー企業にサービスメニューや導入メリットなどを説明するというものだ。契約が成立すれば、紹介した販売パートナーがインセンティブを受け取る仕組みになっている。また、回線加入のインセンティブについては数年間に渡って支払われるという通信業界特有の制度であることも安定収入につながるメリットだ。


 通信事業に加えて、IT関連の製品・サービスでも強化策の追求に余念がない。製品面では、「仮想化」を切り口としたラインアップを拡充。サービス面では、SaaSやASPで提供している月額課金の「TEKI-PAKI」を展開し、すでに10種類以上のメニューを揃えた。

 高瀬氏は、「単に製品を流すだけのディストリビューターではなく、付加価値を提供していきます」と断言する。

 販売パートナーとのパートナーシップをますます深め、ITと通信を融合したビジネスが、リーダーのポジションを早急に確立していく。


ビジネス拡大に向けての取り組み
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