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<帯域管理・制御装置特集>NGN、SaaSの基盤確立に向けて 需要高まる帯域制御装置

2009/01/22 19:55

週刊BCN 2009年01月19日vol.1268掲載

 ネットワークの高速化、大容量化に伴って、NGNやSaaSなどが登場し、ネットワークはより柔軟に、速く、便利に変貌を遂げようとしている。それに呼応するように、スイッチやロードバランサなどは10Gbpsへの対応が加速しているが、きめ細かいサービス提供に向けて、現在注目を浴びているのが帯域制御装置だ。そこで、帯域制御の専業メーカーであるアロットコミュニケーションズジャパンの日本支社長・石田真氏と、同社製品を日本で展開する大手ディストリビュータであるNTTアドバンステクノロジの取締役・グローバルプロダクツ事業本部長・須田宏一氏に、帯域制御装置の特徴、市場性について話を聞いた。

NTTアドバンステクノロジ アロットコミュニケーションズジャパン ネットワークは10Gbps時代へ

幅広いラインアップ DPI技術ベースのトラフィック制御

 アロットコミュニケーションズは、1997年の設立以来、世界で活躍を続ける帯域制御の専業メーカー。現在、世界各国でキャリアやISPなど700社以上が、一般企業、大学、研究機関は2000社以上が同社製の帯域制御装置を導入し、出荷台数も1万2000台以上の実績を誇っている。

 幅広いラインアップには、高度なネットワークパフォーマンスとセキュリティを実現し、2Mbpsから2.5Gbpsまでの帯域制御ができる「NetEnforcer」(AC-400/800/1000/2500)4モデルと、10Gbpsを制御できる大手キャリアやISP向けの「Allot Service Gateway」、ネットワーク管理ソフト「Allot NetXplorer」があり、ネットワークを流れるトラフィックを可視化し制御することができる。

 アロットコミュニケーションズジャパンの石田日本支社長は、「ディープパケットインスペクション(DPI)テクノロジーをベースにトラフィックを制御できる点が大きなポイントです。さらに、NetXplorerにより、直感的な操作でネットワークのトラフィックやパフォーマンスを管理、制御できること、帯域制御装置はパフォーマンスを維持し、安定したスループットを提供できることが大きな特長です」と、製品の強みを解説する。

 日本市場は、他の地域に比べて高速網のインフラ導入が進んでいる。さらに、IPv6への取り組みにも先進的で、ワールドワイドにおいても主要マーケットとして同社が力を注いでいる市場の1つだ。

 「帯域制御装置の市場とは、アプリケーションデリバリー市場と認識しており、その規模は全世界で1500億から2000億円といわれています。日本市場は約10分の1を占めるとみられており、今後、非常に伸びていく、ポテンシャルがある市場といえます。そうした日本市場で展開していくためには、販売パートナーとの協業が欠かせません」と石田氏。今後の有望な市場性からも、販売代理店の支援がますます重要になってくる。

新時代のネットワークを支えるDPI技術、帯域制御

 日本国内での販売において、同社の一次代理店として積極的にアロットコミュニケーションズ製の帯域制御装置を取り扱っているのがNTTアドバンステクノロジだ。NTTグループ内において、R&D部門に最も近い位置にいる同社は、30年余にわたって築き上げてきた技術力をバックボーンに、インフラ系、ソリューション系、プロダクトセールス系事業を展開。NTTブランドを守り育てていくことで、企業価値を高め、その卓越した技術力と多様な製品展開およびサービス力は高く評価されている。

 グローバルプロダクツ事業本部の須田宏一本部長は、「世の中にある先端的でかつ役立つ技術を扱うグローバルプロダクツ事業本部では、IPネットワークを利用して、付加価値の向上を目指す『アプリケーションデリバリネットワーキング技術』と、『マルチメディアコミュニケーション技術』を重点商材として扱っています。アロットコミュニケーションズの製品は、アプリケーションデリバリネットワーキング技術における主力製品の1つです」と語る。

 アプリケーションデリバリネットワーキング技術領域においては、ネットワークを流れる様々なサービス、アプリケーションのトラフィックを、いかに高度に分析、監視、制御していくかが重要になってくる。さらに、高速化、大容量化で多様な製品が導入されてくると、それらを統合的に、連携させて管理しなければならない。そうした点においても、優れた管理ソフトを持つ専業ベンダーの強みが発揮できるという。

 また、「アロットコミュニケーションズの一次代理店になったのは2003年。当時は、ギガへの対応が注目されていましたが、アロットコミュニケーションズはいち早く製品化を実現しました。5年経った現在も10Gbpsへの対応に早くから応えています。また、Winnyなど日本固有のP2Pによる情報漏洩問題にも素早く対応した結果、ISPやキャリア、大学、研究機関に導入され、アプリケーションごとの帯域制御を目指すエンタープライズ市場にも導入が進んでいます」(須田氏)と、高速化への対応、柔軟性も見逃せないポイントだ。

 今後は、NGNやインターネットを介して、様々なコンポーネントが連携してサービスが充実してくるのは想像に難くない。SaaSをはじめ、新しいサービス形態が誕生してくると、ネットワークは、「人と人とをつなぐ」「知と知をつなぐ」といった新しいフェーズに動いていくことになる。その際、ネットワークにかかる負荷は膨大なものになり、帯域の上限値や必要な帯域の確保、優先付けなどが今以上に求められる。

 「帯域制御は、ネットワークサービスを提供する企業にとって、きめ細かいサービスを提供するために欠かせない技術です。サービスの多様化に伴い、トラフィックの振り分け作業は一段と重要になってくるでしょう。“当たり前”だけれども、本当に必要なもの。それが帯域制御です。近い将来、その理解がこれからもっと深まる日が確実にくると思います」と、須田氏は帯域制御の今後の市場性と重要性を示す。

 また、石田氏も、「NGNやMPLS(Multi- Protocol Label Switching)の使用が始まれば、MPLSとの親和性が高い当社製品の特徴を生かしたソリューション提案ができると思います」と続け、そのビジネスチャンスを語る。

リプレース/アップグレードキャンペーンを実施

 今回、需要拡大が見込まれる帯域制御市場に向けて、NTTアドバンステクノロジは、「リプレース/アップグレードキャンペーン」を実施する。

 すでに帯域制御装置を導入している企業でも、ここ最近のネットワークトラフィックの増加によって、スループットの低下やアプリケーションのきめ細かい制御が難しいケースがある。そうした旧機種をアロットコミュニケーションズ製にアップグレードすることで、常に速く、精度の高いネットワークトラフィック制御が実現できる。

 キャンペーン期間中は、特別価格で提供されるため、ISPやキャリア、研究機関、企業に加え、SIerなどにとってもビジネスチャンスとなるだろう。

 10Gbps時代に歩み出したネットワークを、根幹から支える帯域制御装置のこれからの動きに要注目だ。


問合せ先 【TEL】03-5956-9603 【Mail】allot-sales@ntt-at.co.jp

 



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外部リンク

NTTアドバンステクノロジ=http://gips.ntt-at.co.jp/allot/