Special Issue
<NEC特集>ハードウェア/OS/ソフトウェアの可用性を高める
2008/11/11 19:55
週刊BCN 2008年11月10日vol.1259掲載
データベースを監視する「CLUSTERPRO X Database Agent」
トップシェアを誇る「CLUSTERPRO X」企業の情報システム化が進み、ほとんどの業務にITは不可欠な存在となった。企業の情報システムに高可用性を求めるニーズはますます高まっている。基幹サーバはもちろん、データベースサーバ、業務アプリケーションサーバ、Webサーバ、メールサーバなどが停止すると、ビジネスへの影響は避けられない。情報システムのダウンタイムをゼロに近づけるために、可用性・信頼性を高めるクラスタリングソリューションに注目が集まっているのは、当然の結果だと言えるだろう。
NECは、Windows市場におけるクラスタリング市場を牽引するリーディングカンパニーとして知られており、1996年には「CLUSTERPRO Ver1.0 for Windows」(旧称:ESMPRO/Active RecoveryManager)を開発。2000年には「CLUSTERPRO Ver1.0 for Linux」をリリースし、Windows/Linux環境下でのクラスタリングを実現した。06年には大幅に機能を強化した「CLUSTERPRO X」を提供し、現在に至っている。信頼と実績を積み重ね、国内における事実上の業界標準として知られている。
「CLUSTERPRO X」は、障害発生時に正常なサーバで業務を再開させる機能を有したフェイルオーバ型のクラスタソフトだ。最小2台構成から32台構成まで柔軟にクラスタリング可能で、これを導入することにより、業務サービスの可用性の向上が実現する。
「“業務を止められない”というお客様にとって、“CLUSTERPRO”は最適なソリューションとなります。そのため、多くのお客様のご支持をいただいております」と、第二コンピュータソフトウェア事業部・主任・[CLUSTERPRO X]の佐藤陽一氏は語る。
「CLUSTERPRO X」は、05年から07年の3年間、国内クラスタソフトのトップシェア(富士キメラ総研)を獲得*。国内で最もユーザーに支持されているクラスタリングソリューションと言って間違いないだろう。
「業務を止めない」ため OSやソフトウェアの障害を検知
通常、クラスタリングソフトウェアは、ハードウェア障害を検出し、フェイルオーバする。しかし、OSやソフトウェアがハングアップした場合にも、業務が停止してしまうケースは多い。ハードウェア障害に対して可用性と信頼性を高めても、あらゆるケースで「業務」を継続できるわけではない。ハードウェア/OS/ソフトウェアなど、それぞれの障害を検出しなければ「業務」の停止は免れないのである。
「CLUSTERPRO X」では、ハードウェア/OS/ソフトウェアの障害発生を検出し、業務プログラムを健全なサーバに移して業務継続を実現している。
「データが集まるところやユーザーがたくさんアクセスするような“ポイント”がダウンすると、ビジネスに大きなインパクトを与えます。現在、サーバやストレージの統合を進めている企業も増えていますが、そういった状況では、高可用性のニーズはますます高くなっていきます」(佐藤氏)。
「CLUSTERPRO X」は、オプションとして「CLUSTERPRO X Database Agent」「CLUSTERPRO X Internet Server Agent」「CLUSTERPRO X File Server Agent」「CLUSTERPRO X Application Server Agent」を提供している。ユーザーニーズに応じて、柔軟に組み合わせることができ、顧客企業の可用性を高める。
「特にデータベースは、最終的なデータの保存場所ということもあり、最も信頼性が求められるポイントです。“CLUSTERPRO X Database Agent”は、クライアントPCと同様の形でデータベースへの接続を試みるため、“応答がない=業務を継続できない”といった障害は、ほぼ検出できます」(佐藤氏)。
確かに、データベースのサービスが稼働していても、何らかの障害が発生しているケースはよくある。「CLUSTERPRO X」は、サービスが稼働しているかどうかといったステータスだけではなく、「業務視点」で障害検出を行っているのだ。また「CLUSTERPRO X」と統合されたGUIにより、特別な教育がなくても容易に設定できる。
さらに「Database Agent」は、1つの製品でWindowsではOracle、SQL Server、DB2、PostgreSQL、PowerGres、ODBCなど、LinuxではOracle、DB2、MySQL、PostgreSQL、PowerGresPlus、Sybaseなど、主要なデータベースに対応。適応できる範囲も幅広い。
「データベースサーバを導入する際には、オプションとして導入されるケースがほとんどです。過去にお客様のデータベースサーバが土日にハングアップ(またはフリーズ)し、緊急で現場に呼び出された経験のあるSE様は、ほぼ導入されますね。“CLUSTERPRO X”は、オプションの組み合わせがしやすく、お客様への提供の幅が広がったという販売店様もいらっしゃいます」(佐藤氏)。
販売店のなかには、データベースなどの可用性を高めることで「サポート品質の向上」と「サポート工数の削減」を実現させる目的で活用するケースもあるという。これまでサーバの構築を行ってきた販売店にとっても、オプションを提供することは、売り上げ拡大以外のメリットも多い。
> 「“CLUSTERPRO X”は、お客様の要望に応じた機能強化をしており、仮想化環境の対応なども進めています。お客様や販売店様にご活用いただければと思っています」(佐藤氏)というのが、顧客や販売店へのメッセージだ。
*出典:富士キメラ総研、2006~2007「パッケージソリューション・マーケティング便覧」
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