Special Issue
<付加価値Server特集>付加価値を高めたサーバに着目 設置環境性を求める ニーズが高まる
2008/08/29 19:56
週刊BCN 2008年08月25日vol.1248掲載
パートナー企業への手厚い支援がカギ
「統合」「仮想化」を見据えた展開
ハードウェア的に差別化が難しいサーバー市場だが、パートナー企業の支援策を強化し、販売しやすい体制を整えようとするベンダーが登場している。ベンダーが蓄積したノウハウを提供することで、市場のすそ野を広げようというのがその狙いだ。「統合」「仮想化」がキーワードに
オープン化の影響を受け、多くのサーバーが企業に導入された。オープンシステムは、企業の情報システムごとに作り込まれているメインフレームと異なり、ハードウェア的な差別化が難しい。そのため、企業の情報システムは、マルチベンダー化が進んでいる。
オープン系システムは、標準技術が多く活用され、ハードウェア的な差異がほとんどない。そのため、ともすると価格競争に陥りがちだ。実際に市場を見ると、サーバーの価格競争は激化しており、数多くの低価格サーバーが提供されている。
業務効率の向上を目指して、多くのサーバーが導入・運用されているが、その数はあまりにも多く、運用・管理工数の増大という新たな課題を生んでいる。IT投資のほとんどが既存システムの維持・管理にあてられる一因にもなっている。
そこで、サーバーを「統合」し、業務効率はそのままに維持・管理コストを削減しようとする動きが活発化しつつある。その中で、ブレードサーバーや仮想化技術などが注目されている。「統合」はスペースメリットも大きく、サーバー資源を効率よく利用できるため、消費電力の削減にも寄与し、グリーンITというトレンドともマッチする。
ノウハウを提供し
市場のすそ野を広げる
これら、付加価値の高いサーバーを提供し、市場で高い支持を獲得しているベンダーも出始めている。「統合」や「仮想化」を扱うためには、高いスキルと販売体制が必須だ。特に「仮想化」を行う場合、「分析・調査」などは不可欠となる。「仮想化」や「統合」を失敗した例を見ると、「分析・調査」を行わなかったため、適切なシステムを構築できなかったケースが多い。
サーバーを扱うことに慣れていても「仮想化」のためのノウハウがなく、うまく販売できないといったパートナー企業も少なくない。それらのパートナー企業に対し、必要なノウハウを提供するなど手厚い支援を行い、シェアを拡大しているベンダーも登場している。
このような展開をすることで、パートナー企業の強みを生かしつつ新たな市場を開拓することにもつながる。こうして、高付加価値サーバーを求める市場は拡大の一途をたどっている。パートナー企業とともに、販売しやすい環境を構築し、ビジネス拡大を目指すベンダーの活躍が期待されている。