Special Issue
<エーティーワークス特集>グリーンITを赤いサーバで「省電力・省スペース」で時流に乗った提案
2008/06/09 19:55
週刊BCN 2008年06月09日vol.1238掲載
「省電力・省スペース」を実現する“赤いサーバ”
「at+linkを運用する中で、“いかに自社でランニングコストを抑えるか”という課題があり、それを解決してきました。現在、提供しているサーバは、これらのノウハウが蓄積されたものです」(永井浩和 取締役副社長)。
同社では、「省電力・省スペース」を実現するラックマウント型サーバとして「radserv シリーズ」を提供。このシリーズには、ノートPCにも利用されている45nm インテルCore 2 Duoプロセッサー T9300(2.50GHz)を搭載した省電力モデル「radserv X」や、インテル Xeon クアッドコア・プロセッサーX3360を搭載したシリーズ最上位モデル「radserv NEO-X」などのラインアップを揃えている。従来のハーフサイズで省スペースを可能にし、電力消費も半分に抑えた。
「radserv シリーズ」は、オンラインショップを通じて「Build To Order(受注生産)」という形で提供。2.5インチHDDの場合は、RAIDカード搭載時にホットスワップをサポートする。IPMI 2.0をオプションで追加すれば、管理者による監視や復旧といったサーバの遠隔操作が可能だ。さらに、省スペースにこだわり、1Uスペースに独立したサーバを4台収納可能にした「Quad Beagle」がある。「Quad Beagle」は、「radserv X」と同様のマザーボードを採用し、省スペースでありながら、省電力も同時に実現したモデルだ。
今後の展開については「SIer様の新しいビジネスを支援したい。最近では、アプリケーションを持っているSIer様から、アプライアンスとして販売したいというお声をよくいただく」と永井副社長。「省電力・省スペース」という同社の取り組みがSIerにも注目され、ホテルや無線LANスポット、マンションなどに向けたインターネット接続サーバ「Secure POPCHAT」などのアプライアンス製品の提供につながっている。「アプライアンスとしての提供は、当社にとっても大きなビジネスチャンス」と永井副社長は期待を寄せる。
多くの実績を積み重ねたホスティングサービス「at+link」
1997年、エーティーワークスとリンクの共同事業であるat+linkが、本格的にサービスを開始した。東京と富山の2か所にデータセンターを構え、専用ホスティングに特化したサービスとして好評を博している。at+linkで稼動する自社マシンは9割以上を占め、ハイスペックでありながら手ごろなサービス価格を維持。障害時のハードウェアは無償で交換に応じるなど、ハードメーカーならではの強みを生かした展開を行っている。
at+linkでは、1ユーザーが、1台のサーバをルート管理者権限を持って利用できる専用サーバを提供する。1997年以来、一貫して24時間365日のサポート体制を整え、万が一の障害時にも迅速に対応。常駐のサーバ管理者がいらないため、顧客へ大きな安心感を与えている。
at+linkの利用料金は、マシンごとの保守契約が不要(初期費用0円~、月間利用料1万9950円~)。最低利用期間は設けられていない。「サービス開始時から価格を下げずに展開し、現在では8100台の稼動実績があります。価格を維持しつつ、付加価値を上げてきたことが評価されたと思います」と、永井副社長は語る。
さらに、同社が新しいトピックとして掲げるのが「仮想化」だ。at+linkでは、「Xen」を使ったエントリークラスや、Xenをベースとした商用仮想化ソフト「Virtual Iron」を利用した仮想化ソリューションなど、目的に応じた仮想化を提案している。「VMwareであれば80‐90万円かかるところを、“Virtual Iron”を利用すれば、30万円弱に抑えることができる。大きなコスト減につながります」(永井副社長)。
at+linkで多くの実績を持つ同社だが、本当のビジネスチャンスはこれからと意気込みは高い。東京本社・営業本部・セールスプロモーション課の高瀬由照課長はこう語る。
「at+linkは、レンタルサーバのなかでは、かなりの知名度があります。同様に、エーティーワークスサーバ製品群の知名度アップに努めたいと考えています」。
河村電器産業と共同でデータセンターを再現
Interop Tokyo 2008では、河村電器産業と共同でブースを出展する。同社では、ラックメーカーである河村電器産業と協業し、サーバラックの冷却などについて共同検証を行い、シナジー効果を図っている。今回のブースでは、データセンターを再現した展示を行う予定。エーティーワークスのサーバ群が、どのようにデータセンターで動いているのかが一目瞭然だ。そのほか、「Virtual Iron」による仮想化環境のデモンストレーションやアプライアンスなども展示する。「ケーブリングを含めて、省スペースの中ですっきりサーバが収納できることをアピールしたい。当社の赤いサーバ群に合わせた19インチラックも展示するので、見た目にもインパクトがあると思います」(高瀬課長)。
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