Special Issue
<特別企画 期待される企業像2008> 2008年はJ-SOX法の施行、Windows server 2008のリリースにより業界内問わず多大な変革の1年となる
2008/01/24 19:56
週刊BCN 2008年01月21日vol.1219掲載
アイエックス・ナレッジ しっかりとしたモノづくりと高品質のサービス
さらなる飛躍へ体制を強化 時代の変化を捉え企業の付加価値を創造
情報インフラの普及、ハード、ソフトの技術革新により、グローバル化、スピード化が加速している。そうした時代の多様なニーズに応える情報サービスの担い手として、システム開発、IT基盤の構築・整備を手掛けてきたアイエックス・ナレッジ。「進取の精神」と「品質の信頼性」をサービスの機軸に、グループ企業、パートナー企業との連携をより強化し、満足度の高い、高品質なトータルソリューションの提供を目指す。 ■先進と信頼のソリューションを提供 高品質を生む体制を整備
アイエックス・ナレッジ(IKI)は、ITとビジネスのコーディネーターとして、設立以来、多様化する顧客のニーズに応える「先進と信頼のソリューション」を提供している。同社の成長を支える大きな原動力となっているのは、コンサルティング、システム開発、システム運用という一連の流れをワンストップで提供する事業体制と、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)によるプロジェクト管理など高品質な情報サービスを提供する体制づくりにある。
安藤文男社長は、「2007年は当社の強み、また独立系SIerとしてのポジションを整理し、量、質ともに成長を目指した年でした。現在、企業は投資意欲が旺盛で、設備投資も拡大基調にあることから、金融・証券、製造、サービスなどの基幹市場のシステム開発、コンサルティングが順調に推移しています。主な取引先であるプライムコントラクター(複数企業で行う開発を取りまとめるメーカーやSIer)とのパートナーシップを深め、『しっかりとしたモノづくり』で信用を高めていることが成長の起爆剤になっています」と語る。
さらに、「サービスの枠とグループの規模感を拡げるために、4月には子会社のアイ・ティ・ジャパンと独立系情報サービス会社のときわ情報が合併し『アイエックスときわテクノロジー』を設立。コンサルティングが主サービスの子会社アイケーネットも事業体制を強化し、IKIグループ全体での受注体制の拡充も図りました。そして、関連会社やパートナー企業、特化技術やノウハウを持つ先進企業との業務提携を目論むグループ戦略『連峰経営』もアクティブな事業展開に貢献しています。特にコアなパートナーとの協業は大きな事業戦略の一つです。こうした一つ一つの取り組みが、より強い企業体質への改善につながったといえるでしょう」と振り返る。
また、システム開発、保守、運用においてリスクの極小化を図る受注管理、品質管理、トラブルのない業務推進を目指し、2005年度から営業と事業部を組み込んだ「製販一体」体制、PMOの設置が不採算案件、トラブルプロジェクトの回避に結びついている。これも収益性を高める大きなポイントになっている。
■人材は「人財」、プロを育てる 教育・研修体制の充実を図る
IKIはさらなる飛躍に向けて体制の強化に乗り出す。その柱となるのが、要員の教育と研修制度の拡充である。これについて安藤社長は「サービス品質を向上させるためには、お客様のビジネスを理解して、付加価値を提供するアイデアを具現化できる人材が必要です。2007年には教育・研修部門を子会社のIKIアットラーニングに移管し社内研修教育の充実を図りました。さらに、採用についても、2007年12月現在、グループ全体で1500名が在籍していますが、毎年70名から80名規模で採用していた新規採用枠の拡大を検討しています」と語る。
さらに「これまで消極的だった中途採用については、経験を積んだ即戦力となる経験者はもちろん、異業種から転職を希望する未経験者でも徹底的な教育・研修を視野に入れ検討していきます。また国籍を問わず門戸を広げ、ITエンジニアになることに夢を持っている優秀な人材を受け入れていく予定です。すでに2007年4月からはインドの2名の技術者を研修生として迎え入れました。ほかにも、各国の企業や大学との連携や、社員のOJTなどによる海外教育も視野に入れ、国際感覚を磨くという目的も含めて長期的な視点で取り組んでいきたいと思います。これらの取り組みは、技術者不足が叫ばれる中、優秀な人材を獲得し、育成することで『人財』となる、プロを育てるための第一歩です」と、人財の重要性を強調する。
また、案件の首都圏集中傾向が強いIT業界において、地方都市に眠る優秀な人財の活用にも積極的に取り組む構えだ。
「コアパートナー戦略の一環にもなりますが、資本・業務提携している北洋情報システム(札幌市)は、東京の案件を持ち帰って開発を行っています。そうした成功事例を他の都市にも展開していきたい」と安藤社長。
なお、要員規模はグループ全体で2000名体制の確立に向けて、早期の実現を目指す。
■携帯・自動車の組込系やNGNの市場拡大に期待
2008年を迎え、次のステージへ駆け上がるシナリオが着々と整っている。そのひとつがストレージ機器、自動車などの組込ソフト関連で、ここ3年で売上規模が10億円と倍増している。ほかにもNGN(次世代ネットワーク)といった大きなテーマも加わり「現状のネットワーク構築からゆくゆくは課金システムなど付帯する開発案件も狙っていきます」と、市場拡大に伴う売上拡大に期待を寄せる。
また、システム検証サービスやコールセンターなど、顧客により役立つソリューションの提供を推進していくという。
安藤社長は「IKIグループでの今期の売上高は約190億を見込んでおり、来期は200億円を目標にしています。3年後には売上高230億円、営業利益率10%を目標に、IKIグループのさらなる飛躍を目指します」と意気込みを語る。
顧客のビジネス・バリューを高め永続的に信頼されるパートナーとして社会に貢献するIKIの今後の活躍に期待が高まる。
アイエックス・ナレッジ=http://www.ikic.co.jp
(週刊BCN 2008年1月21日号掲載)