Special Issue
日本アスペクト・ソフトウェア 世界市場をリードする専業ベンダー 日本のコンタクトセンターを“攻めの戦略ポイント”に変える
2007/11/26 19:56
週刊BCN 2007年11月26日vol.1213掲載
■転換期を迎えたコールセンター市場 ブランド力の向上で潜在市場を喚起

日本アスペクト・ソフトウェアの小枝逸人社長は、「日本のコンタクトセンターは複雑なシステム構成となっており、顧客のニーズに応えられないことが大きな課題となっています。アスペクト・ソフトウェアは、ワールドワイドで30年以上にわたってコンタクトセンタービジネスに携わってきた専業ベンダーですが、まだ日本では知る人ぞ知る企業に過ぎません。コンタクトセンターの位置付けは、従来のサポート対応やクレーム処理から、市場の変化の察知、情報の分析結果を元にした業務改善など、企業戦略の重要なポイントへと変化してきました。当社はこうした企業が求める必要なソリューションの提供を目指します」と抱負を語る。そのために、日本アスペクト・ソフトウェアが掲げた戦略が「ブランド力の向上」「営業力の強化」「サービスの拡張」の3つだ。
ブランド力の向上について、「日本市場は成熟しているものの、圧倒的な支配力を持つ企業が存在しません。当社のソリューションを展開していくためには、企業はもちろん、私が広報マンとなって広報・宣伝活動を行っていきます。例えば、イベントやセミナーへ参加し、積極的にスピーチをするのもそのひとつです。さらに、ネームバリューのある企業との共同プレスリリースや、パートナーを通じたブランド展開など、いろいろな方法を組織を挙げて実践することで認知度向上を図ります」と小枝社長は取り組みを披露する。
同社と成約あるいは検討している企業にはビッグネームも多く、年末までには、外資系大手の化粧品流通企業、メガバンクやテレコム系企業などに導入される予定だ。
「導入を検討している企業は、すでに導入している他社のコンタクトセンター製品のリプレース、ビジネスの成長によるアドオンなどに加え、アスペクト製品の導入で新しい展開が期待できるというものが多くあります。そうした経営戦略に欠かせないコンタクトセンターですが、分散するナレッジの集約、効率的な人材の配置などの課題に対して、ROI(費用対効果)の高い製品を求める声が強くなっています。自社製品の良さを知っているからこそ、使っていただくためにブランド力の向上が必要なのです」と、ブランドを高めていくことが顧客満足度の向上につながると小枝社長は力説する。
その原動力になるのが、同社の製品群だ。「アスペクト・ソフトウェアは、世界で初めてCTIやACDを開発した技術者が在籍しており、業界、技術への造詣はとても深いものがあります。その技術やノウハウを持ち寄ったのが12月発売予定の『Aspect Unified IP』です。安価、構築・運用までの短期化、必要なライセンス提供が容易などの特長を備え、音声システムやACD、IVRなど、ばらばらだった機能への連携が単一プラットフォーム上で図れます。また、コンタクトセンターの運用コストの半数以上を占める人件費の削減に対し、『Aspect eWorkforce Management』を利用して雇用形態のエージェントを管理し、最適配置で効率的な運営を実現します」(小枝社長)。
■新規パートナーとの協業に注力 ハイタッチ営業で顧客満足度向上も
営業力の強化では、コンタクトセンター市場に強い販社との協業、それからハイタッチ営業の強化が鍵を握る。「ソリューションビジネスは、ビジネスパートナーとの協業なくして成功はあり得ません。パートナーは規模、得意分野などに応じて、その役割も変わってきます。Aspect Unified IPは、既存のパートナーとは違う新たなパートナーが必要になってくるでしょう」(小枝社長)。

「9月の就任会見で掲げた今年の売り上げを昨年の2倍にするという目標は、達成する見通しがつきました。来年以降もハイレベルに売り上げを高めていきたいですね。そのためには、今後も新しい技術、良い製品を投入し、日本のコンタクトセンターを“攻めの戦略ポイント”に変えていきます」と、小枝社長は抱負を語る。
世界で多くの実績を残してきたアスペクト・ソフトウェアの日本市場における快進撃が勢いを増しそうだ。(週刊BCN 2007年11月26日号掲載)
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