Special Issue
<SaaS特集> ソフトバンクBB SaaS事業推進部 流通、通信に続く事業展開
2007/08/31 19:56
週刊BCN 2007年08月27日vol.1200掲載
SaaSソリューションセンター開設
セールスフォース社が4月に発表した「Salesforce Platform Edition」というのは、マイクロソフトの.NETに匹敵するプラットフォームだ。「この技術を活用すれば、CRMだけでなく、SaaS版ERPでも開発できます。開発ベンターやSIerが独自のアプリケーションを持っていたとすれば、このプラットフォームに対応することで、そのアプリケーションを直接ユーザーに提供することも可能になります。当社はそのためのお手伝いもしていきますし、海外にも販売したいといえば、そのお手伝いもします」(中山マネージャー)というのが同社の基本戦略である。
そうした同社の姿勢を端的に示しているのが、SaaSソリューションセンターの設置だ。「バーチャル組織として運用、03-6889-2075に電話してもらえば、SaaSに関するあらゆる相談に応じる」意向だ。
中小企業向けの「TEKI-PAKI」
まずウイルス対策 サービスを提供

「中小企業は、IT化の必要性を感じながらも、専任者をおけないことなどから、IT化に乗り遅れる傾向が見えます」と指摘するのは原山部長である。
「たとえば、パッケージ版のウイルス対策ソフトは、1年ごとに更新手続を行い、常に最新のパターンアップデートなどをしないと新しいウイルスには対応できない製品が多いが、そのことを知らないユーザーも多くいます。また、社員が増えたため、追加購入したいが、ライセンスは過去購入した時期に合わせて行わなければならず、その管理に困惑しているユーザーも少なくありません」と、マーケティングを担当するコマース&サービス統括MDサービス統括部3部の岩瀬直行部長は補足する。
こうしたユーザーの困惑を解消するために開始したTEKI-PAKIだが、第一弾のウイルス対策サービスの仕組みはどうなっているのだろうか。
1クライアントは月額525円

「とくにこのサービス用に開発したのがActive Agentです。ユーザーの社内ネットワークのクライアントコンピュータのうち1台だけが当社のセキュリティサーバーにつながり、ウイルス対策のパターンファイルや検索エンジンの最新版を代表してダウンロード、それを順次ネットワーク内のコンピュータに伝えていきます。それぞれのコンピュータが個々にサーバーからダウンロードするよりも、ネットワークへの負荷が大幅に軽減されます。また、もしウイルスに感染した場合、その復旧作業は最もコストがかかることになりますが、自動復旧サービスにより素早く復旧作業を実施、基本的にはユーザー自身が作業を行う必要はなく、コストも発生しません」と岩瀬部長が補足する。

田島部長は販売パートナーの開拓に当たっているが、「当社の1万社の販売パートナーに働きかけていますが、関心は急速に高まっています。これまで当社と取引のなかったレンタル事業者などから申し込みを受けることもあります」と明かす。
多様なサービスを計画
ところで、ウイルス対策サービスは「第一弾」と強調しているが、次はどのようなサービス展開が控えているのだろうか。「具体的なサービス名は発表まで待って欲しいのですが、グループウェア、資産管理、財務会計、給与計算など多様なサービスを考えています。当然、SaaSケータイであるX01HT端末を活用できるサービスも含まれます」というのが原山部長の答えだ。
ソフトは買うのではなく、サービスとして利用できる時代が目前に来ていることは確かなようだ。
