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基盤ビジネスを成長のドライバーに 米CrowdStrikeのパートナー戦略
2025/03/24 09:00
週刊BCN 2025年03月24日vol.2052掲載
(取材・文/大畑直悠)

複数のモジュールの販売を推進
Falcon PlatformはEDR(Endpoint Detection and Response)やクラウドセキュリティー、次世代SIEM(Security Information and Event Management)など29のモジュールを提供している。APJでのビジネスは好調に推移しているといい、米本社のダニエル・バーナード・最高ビジネス責任者は「レガシー製品からの乗り換えにFalcon Platformを選択する顧客は多い。エンドポイントなど少数のモジュールから始め、その後、さらにモジュールを導入し、次世代のセキュリティー機能を使ってセキュアな環境を構築している」と説明。その上で、シングルプラットフォームでの提供により、顧客はさまざまなセキュリティー機能を一つのコンソールで管理できるといった、運用の簡素化を実現する点などを好調の要因として挙げる。五つ以上のモジュールを導入する企業が67%以上の状況で、プラットフォーム戦略が成長をけん引しているようだ。
ダニエル・バーナード
最高ビジネス責任者
運用の簡素化の面では、生成AI機能「Charlotte AI(シャーロットAI)」に対する顧客からの期待は高いとする。各モジュールと連携しながら、これまで人手を割いていた多くの業務の自動化が可能で、例えば、何らかのアラートに対して誤検知かどうかを判断して検知機能の精度を上げたり、攻撃を受けた際のレポートの作成を自動化したりできる。バーナード最高ビジネス責任者は「30分かかっていたタスクが30秒に短縮できたという例もある。AIの導入はまだ始まったばかりだが、前四半期にはグローバルで100以上の契約を締結できた。今後も時間をかけて成長していくだろう」と見通す。
日本でのパートナーエコシステムの構築について、ジョン・フォックス・APJチャネル担当バイスプレジデントは「2024年は最も成功した年だった。3年前と比較して3倍近くのパートナーがいる」と手応えを示す。国内市場での成功の要因としては「セキュリティー製品を当社に統合することでパートナーは収益性を高められる。多額のコストをかけ、さまざまなベンダーが提供するテクノロジーに精通し続けたり、膨大なトレーニングを受けたりしなくても済むようになる」と話す。

ジョン・フォックス
バイスプレジデント
今後のパートナーへの期待として、フォックスバイスプレジデントは、「単体のモジュールではなくプラットフォームとしての販売に習熟してほしい」とした上で、「当社が提供するサービスのプロフェッショナルとなり、(顧客支援を)主導してほしい」と呼び掛ける。特に同社が提供する次世代SIEMに関しては、「顧客のシステム環境に当社よりも熟知しているパートナーが、これまでの知識を使いながら顧客に提案し、導入してほしい」と訴える。
国内市場について、フォックスバイスプレジデントは「APJの中でも巨大な経済圏があり、当社が注力するエリアだ」と述べる。また、「Falcon Platformはすでに日本語化されており、サポートやトレーニングに関しても日本語で顧客とパートナーの両方に提供している」と話し、国内市場へのコミットメントをアピールした。
- Interview 国内は中堅・中小や地方への拡販を強化
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