Special Feature
「STATION Ai」が目指すイノベーション創出 日本最大級のスタートアップ拠点
2025/03/03 09:00
週刊BCN 2025年03月03日vol.2049掲載
(取材・文/堀 茜)
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スタートアップ500社が入居 既存産業盛り上げを狙う
STATION Aiは、オープンイノベーションの拠点として、民間資金を活用し公共事業を実施するPFI事業の形態で愛知県が名古屋市の鶴舞地区に建設した。運営はソフトバンクの100%子会社であるSTATION Aiが担っている。開業時でスタートアップ約500社、東海地域を中心とした事業会社がパートナー企業として約200社が入居。スタートアップの拠点として日本最大級の規模を誇る。一般の人も訪れることができるカフェやホテルも併設している。2月には、約5000人が参加する大規模なスタートアップイベント「TechGALA Japan」が名古屋で開かれ、その会場の一つとなったSTATION Aiでも講演やトークセッションが多数行われ、立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。愛知県がスタートアップ支援を政策として展開し始めたのは、18年。自動車産業を中心とした製造業が基幹産業として盛んなエリアで、スタートアップとの協業により既存産業を盛り上げたいという狙いがあった。スタートアップ側には、ビジネス拡大に向けたエコシステムを構築しやすい環境がメリットとしてある。愛知県経済産業局スタートアップ推進課の金丸良・主査は「東京で起業するスタートアップが多いのが現状だが、事業会社が多い愛知は事業を成長させるためのメリットが大きい地域だ」とする。
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金丸 良 主査
STATION Aiについて、愛知県はスタートアップが成長するために既存産業の力を活用し、既存産業がより魅力的な事業にアップデートするためにスタートアップの力を活用するという相互の関係を生む場と位置付けている。多様なバックグラウンド、技術、価値観を持った人が互いに持つものを持ち寄ることで新しいビジネスを生み出すことを促していきたいとする。「イノベーションを起こしたいと思っている人たちが集まるシンボリックな場所」(金丸主査)と期待を寄せる。スタートアップが多く集まっていることに加え、パートナー企業として地元企業が多く入居している点がSTATION Aiの特徴だ。金丸主査は「『スタートアップとの連携で新規事業を生み出したい』など、パートナー企業の期待感は大きい」と感じているという。
愛知県はSTATION Aiを起点に、愛知をグローバルのスタートアップ集積地として発展させたいと展望する。日本の人口減少が進み、市場の縮小が見込まれる中、「グローバルで市場を取れるような新ビジネスを生み出さないといけない」(金丸主査)と語る。県がつながりのある海外の研究機関や企業をSTATION Aiに招くなどして、産業創出の拠点として活用していく方針だ。
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STATION Aiも会場の一つとなり多くの人が来場した
- 集積こそが最大の価値 採用サポートなど手厚く支援
- 東海地区での拡販に活用 金融機関などとの連携進む
- 入居企業から刺激 自然な交流から価値を生む
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