Special Feature
拡大する「Cisco」のセキュリティー 安全・快適のための機能をインフラに融合
2024/10/07 09:00
週刊BCN 2024年10月07日vol.2032掲載
プラットフォーム化でよりシンプルに
同社は、「セキュリティー」「ハイブリッドワーク」「オブザーバビリティー」「サステナビリティー」「ハイブリッドクラウド」「AI」の六つを重点領域としている。中でもセキュリティーは、日本法人が1月に開催したイベント「Cisco Security Summit 2024 - Tokyo」において、日本法人の濱田義之社長が「1丁目1番地になる」と述べるなど、重要な位置付けになっている。以前からファイアウォールなどのセキュリティー製品を手掛けてきたが、近年は買収などにより製品や機能の大幅な拡張を進めている。セキュリティー関連のビジネスを強化する背景について、日本法人の石原洋平・執行役員セキュリティ事業担当は「当社はインフラの総合ベンダーであり、現在は(インフラにおいて)セキュリティーを分離させるのは合理的ではなく、一体で考えていくのが大切だ。また、ネットワークだけの販売では価値を出しにくくなっている中で、セキュリティーは付加価値となる」と説明する。同事業担当の中村光宏・シニアSEマネージャーは「脅威が拡大する中で、人やデバイスを安全につなげるにはセキュリティーが不可欠であり、われわれがやらなければいけない部分だ」と力を込める。
巧妙化するサイバー攻撃に対抗するため、セキュリティー市場ではさまざまな製品が登場しており、ユーザー企業は保護するポイントごとに最適なメーカーの製品を選択する“ベストオブブリード”の構成でセキュリティー対策を行うことが多い。しかし、利用する製品が増えることで、ポリシー設定をはじめとした運用負荷の増大が課題となっている。石原執行役員は「こうした継ぎはぎのセキュリティー対策を見直して、シンプル化していきたいというトレンドが始まろうとしている。そこで重要になるのが、ネットワークとセキュリティーを一体で考えることだ」と見解を述べる。
同社は、2022年にネットワークとセキュリティーの製品や技術を統合して提供するプラットフォーム戦略「Cisco Security Cloud」を発表した。その後、製品・機能の拡張を進め、現在、同プラットフォーム上では、デバイスからアプリケーションへのアクセスをセキュアにする「User Protection Suite」、アプリケーション、データ、クラウドを保護する「Cloud Protection Suite」、脅威の検出と対応を迅速化する「Breach Protection Suite」の三つのスイート製品を展開している。
例えば、User Protection Suiteでは、SSE(Security Service Edge)製品の「Secure Access」や、多要素認証・デバイス認証製品の「Duo」などの利用が可能だ。「スイート製品にすることで、お客様が目的に合わせてシンプルに購入できる」(石原執行役員)という。プラットフォームでの展開は、管理コンソールの統一やセキュリティーポリシーの共通化が図れる点も強みになるとする。
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