Special Feature
製品はプライベートクラウドに焦点 米Broadcomが「VMware」の年次イベントを開催
2024/10/03 09:00
週刊BCN 2024年09月30日vol.2031掲載
(取材・文/大畑直悠)
「エンタープライズITインフラの未来がある」
ブロードコムは2023年11月のVMWareの買収後、売り切り型の永続ライセンスを終了し、従来のCPU単位からコア単位で課金するサブスクリプションライセンスに切り替えるなど、製品提供体系を見直した。加えて、これまでサーバー仮想化基盤の「vSphere」、ストレージ仮想化の「vSAN」、ネットワーク仮想化の「NSX」、マルチクラウド管理の「Aria」の四つのユニットの下で168種類あった製品やエディションを、大企業・中堅企業向けの統合製品となるVCF、中堅・中小企業向けに基本的なサーバー仮想化環境などを提供する「VMware vSphere Foundation」など、四つのエディションに集約した。このうち、今後の製品展開の主軸となるのがVCFだ。イベント初日の基調講演でホック・タンCEOは「エンタープライズのITインフラの未来はプライベートクラウドにある」と力を込め、VCFによる顧客のクラウド環境の構築・運用の支援を基軸に据える方針を明確に示した。
タンCEOは、「10年前に企業の経営層は、パブリッククラウドがもたらすメリットにまるで恋をしているようだったが、今ではコストの高さや運用の複雑性、コンプライアンス管理の煩雑さといった課題を抱えており、オンプレミスに回帰する大きな動きが生まれている」と指摘。その上で「パブリッククラウドの柔軟な拡張性などは適宜活用しつつも、プライベートクラウドがAI、データなどの自由なコントロールを可能にし、イノベーションをけん引するだろう」と続けた。
ここでの「プライベート」には、ユーザー企業が自社で保有するデータセンターだけでなく、パートナーが保有するデータセンターなども含まれる。データのプライバシーやセキュリティーの制御、一貫したポリシーの適用を担保し、統一された管理基盤で運用可能なクラウド基盤という意味が込められている。
加えてタンCEOは、買収後のVMware製品について、「三つのことを約束する。まずは製品群の簡素化。二つめは製品の機能強化や連携性を高めることへの投資、三つめはパートナーや顧客のエコシステムをさらに強化することだ。彼らの成功がわれわれの成功でもある」と呼び掛け、プライベートクラウドの構築・活用に向かう顧客ごとの習熟度に応じて、ITインフラ運用の段階的なモデルを提示することで、そのメリットを享受できるように支援していくとした。
- 単一プラットフォームの価値を訴求
- 日本市場に丁寧な説明を継続する
続きは「週刊BCN+会員」のみ
ご覧になれます。
(登録無料:所要時間1分程度)
新規会員登録はこちら(登録無料) ログイン会員特典
- 注目のキーパーソンへのインタビューや市場を深掘りした解説・特集など毎週更新される会員限定記事が読み放題!
- メールマガジンを毎日配信(土日祝をのぞく)
- イベント・セミナー情報の告知が可能(登録および更新)
SIerをはじめ、ITベンダーが読者の多くを占める「週刊BCN+」が集客をサポートします。 - 企業向けIT製品の導入事例情報の詳細PDFデータを何件でもダウンロードし放題!
- 1
関連記事
米Broadcomが「VMware Explore 2024」を開催、「ITインフラの未来はプライベートクラウドにある」