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小規模事業者と中小企業もセキュリティー対策を ベンダーは製品を積極的に市場に投入

2024/09/19 09:00

週刊BCN 2024年09月16日vol.2030掲載

 中小企業を標的としたランサムウェア攻撃の増加や、サプライチェーン上のリスク拡大を背景に、小規模事業者と中小企業におけるセキュリティー対策の強化が求められている。しかし、大企業とは異なり、予算やセキュリティー人材の不足といった課題を抱えているのが現状だ。この課題の解決に向けて、セキュリティーベンダーは複数の機能をパッケージで提供するなど小規模事業者、中小企業向けの製品を積極的に市場に投入している。
(取材・文/岩田晃久)
 

トレンドマイクロ
パートナーの独自サービスとして提供

 トレンドマイクロは、中小企業向けセキュリティー対策製品を豊富にラインアップし、自社での販売に加えて、パートナーが同社製品を用いて独自サービスとして提供することで、多くの企業のセキュリティーを支えている。最近は、中小企業にとってもサイバーリスクはビジネスリスクであることを認知してもらえるよう積極的な情報発信に取り組んでいる。

 同社は、ウイルス対策とWebセキュリティー、データ保護といった機能を提供する「ウイルスバスタービジネスセキュリティサービス」、中小企業向けEDR(Endpoint Detection and Response)・XDR(Extended Detection and Response)製品「Worry-Free XDR」、UTM(統合脅威管理)製品「Cloud Edge」などの中小企業向け製品を展開。加えて、運用・代行サービスも用意している。管理専用のコンソールも提供することで、パートナーは製品やサービスを組み合わせて、自社のサービスとして顧客に提案できる。
 
トレンドマイクロ 坂本健太郎 シニアマネージャー

 同社ジェネラルビジネス本部ジェネラルビジネスSE部バリューマネジメントグループの坂本健太郎・シニアマネージャーは「当社が製品やサービスを提供し、パートナーはサポートを行うというビジネスモデルが確立できたことで、多くのお客様に利用してもらえている」と語る。

 このビジネスモデルは、パートナーにとってもメリットが大きいとし、例えば回線事業者の場合、Cloud Edgeを用いてサービスをつくるといったように、得意な分野からスタートし、その後、ほかの商材のクロスセルを行うといったパターンも増えているという。

 中小企業を狙ったランサムウェア攻撃による被害が拡大する中で、同社は防御に加えて早期に復旧できる体制を確立するのが重要だとしており、最近は、EDR・XDR製品の利用を促進している。

 坂本シニアマネージャーは中小企業のセキュリティー対策について「難しい用語が使われていることなどが影響して、セキュリティーにアレルギーを持つ経営者が多く、(セキュリティーへの)投資が後回しにされていることが少なくない」と指摘する。

 続けて「当社は、『事業継続と成長に安心・安全を』というメッセージを打ち出し、分かりやすい言葉でセミナーを実施したり、コンテンツを作成したりしている。今後も、経営者に『サイバーリスク=ビジネスリスク』だということをしっかりと伝えていきたい」と力を込める。
この記事の続き >>
  • 米Cybereason日本法人 1エンドポイントでも利用可能なパッケージ
  • 露Kaspersky日本法人 基本機能に加えてEDRを標準搭載
  • キヤノンマーケティングジャパン SOHO向けソフトの販売を開始

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