Special Feature

マイナンバーカードで広がる商機 公的個人認証の民間活用需要高まる

2024/09/09 09:00

週刊BCN 2024年09月09日vol.2029掲載

 マイナンバーカード(マイナカード)を活用した公的個人認証に関連するビジネスが広がりを見せている。国民の多くがカードを持つようになり、安全で確実な本人確認の手段として、金融などを中心に民間企業での利用が浸透。国の認証を受けてほかの企業に認証サービスを提供する「プラットフォーム(PF)事業者」は、スマートフォン(スマホ)への機能搭載に向けた迅速な対応や、新たな需要を喚起する独自のソリューションの提供など、ビジネス拡大への取り組みを加速している。
(取材・文/堀 茜)
 

運転免許証を超える交付数 来春にはiPhoneでも機能開始

 マイナカードは、行政の効率化と国民の利便性向上のためにスタートしたマイナンバー制度のもと、国民一人一人に通知された個人番号(マイナンバー)が記載されたICカード。本人の申請により交付され、個人番号を証明する書類や本人確認の際の公的な本人確認書類として利用できる。

 マイナカードの有効申請受付数は、2024年8月現在で約1億200万枚に達している。

 交付枚数も総人口の約8割に当たる約1億枚で、運転免許証の発行枚数(約8000万枚)を超え、国民に浸透している。国は、マイナカードを健康保険証として利用することを推進しており、さらなる利用拡大が見込まれる。

 国は、カードの利用促進策として、役所などの公的機関だけでなく、民間での活用拡大を目指している。マイナカードのICチップに搭載された電子証明書を利用して、利用者本人の認証などを安全に行う「公的個人認証サービス」は、16年から民間事業者も利用できるようになった。

 民間企業が利用する場合、自社が総務省の認定を受ける「PF事業者」になる方法と、PF事業者に有効性確認を委託する「サービスプロバイダー(SP)事業者」になる二つの方法がある。PF事業者は20社(24年7月現在)、PF事業者のソリューションを使うSP事業者は569社(同)。銀行など金融機関での口座開設やローン契約など多様な場面で利用が広がっている。

 スマホへのカード機能搭載も始まっている。マイナカードの保有者は、オンライン窓口である「マイナポータル」のアプリから、自身のスマホに電子証明書の搭載を申し込むことができる。23年5月からAndroid端末での対応が始まり、iPhoneは25年春を予定する。iPhoneでは氏名や住所、顔写真、マイナンバーなどの券面記載事項も搭載される見込みだ。
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