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衛星データ供給網の整備進む さまざまな業務に活用して生産性を向上

2024/08/05 09:00

週刊BCN 2024年08月05日vol.2025掲載

 人工衛星のデータをユーザー企業の業務で日常的に活用するためのサプライチェーン(供給網)整備が急ピッチで進んでいる。ユーザー企業の業務に深く入り込んで衛星データ活用を推進するデータ活用ベンダーや、衛星データプロバイダーからデータを調達して卸売りするディストリビューターが登場し、川上から川中、川下へと続くサプライチェーンが整いつつある。金融、流通・小売り、商社、農業、防災、経営コンサルティングなどさまざまな業務での衛星データの活用が進むことで、生産性の大きな改善が期待されている。
(取材・文/安藤章司)

野村総合研究所
民需開拓の最前線を担う

 民需を中心とした衛星データの活用推進で主導的な役割を果たしているのは、サプライチェーンの川下に相当するデータ活用ベンダーだ。ユーザー企業の業務に入り込み、衛星データの活用によって業務変革を推し進める伴走型の業態をとる。システム構築を通じてユーザー企業の業務変革を後押しするSIerと業態が似ており、「衛星データ活用に特化したSIer」と呼ばれることもある。

 衛星データ活用では、これまで気象庁の天気予報や防衛省の安全保障の分野など官需が多くを占めていたが、ロケットや人工衛星の技術革新やコスト削減が進んだ今は民需での活用が急速に進むことが期待されている。民需の事例としては、気候変動の分析に活用して農業の生産性を維持・向上させる、物流や人流の定点観測を行って投資会社や流通・小売業が商圏分析を行う、といった用途が挙げられる。
 
野村総合研究所 藤吉栄二 チーフリサーチャー

 ただ、実際により幅広く衛星データ活用を促進させるためには、「ユーザー企業の業務に深く入り込み、潜在的な需要の掘り起こしが必要」だと、宇宙ビジネスに詳しい野村総合研究所の藤吉栄二・IT基盤技術戦略室チーフリサーチャーは話す。ユーザー企業と伴走しながらさまざまな活用方法を試行し、投資対効果に優れ、生産性を高める活用方法を見つけ出す取り組みが欠かせない。

 民需市場の需要が明確になってくれば、それを川上の衛星データプロバイダーに還元し、衛星機材の設計開発や観測スケジュールに反映することで、「より需要に見合った衛星データの提供が可能になる」(藤吉チーフリサーチャー)ため、バリューチェーン(価値連鎖)の拡大が見込める(図参照)。
 
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