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メールが届かない? 求められる送信ドメイン認証技術への対応
2024/06/06 09:00
週刊BCN 2024年06月03日vol.2016掲載
(取材・文/岩田晃久)
送信件数により異なる要件
電子メールにおいては、不正メールや迷惑メールが長年問題視されており、最近はなりすましメールによる被害が拡大傾向にある。グーグルはガイドラインを強化、明確化することで、メールによるセキュリティー被害を防止する狙いだ。今回のガイドラインは、Gmailアカウントに対して1日に送信するメールが5000件未満か、5000件以上かで適用される要件が異なる。共通要件としては、▽送信元のドメインまたはIPアドレスに、有効な正引きおよび逆引きDNSレコードがある▽「Postmaster Tools」で報告される迷惑メール率を0.3%以下にする▽メッセージ形式がRFC 5322標準に準拠している▽Gmailのなりすましをしない(Fromアドレスを@gmail.comとしてメール送信しない)▽TLS接続してメール送信する―などが挙げられる。
特に注意したいのが、迷惑メール率に関する要件だ。Postmaster Toolsはグーグルが提供するツールで、メールの配信エラーや、迷惑メールが報告された数などを確認することができる。迷惑メール率を低い状態を維持するために、信頼性の低いサイトのURLを記載しないなど、スパムメールと疑われる内容にしないといった基本的なことや、後述する送信ドメイン認証技術に対応していくことが有効となる。
1日に5000件以上のメールを送信する場合は、上記の要件に加えて、▽SPF(Sender Policy Framework)レコードおよびDKIM(DomainKeys Identified Mail)署名の設定(5000件未満の場合は、SPFまたはDKIM署名が必要)▽DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)を設定する▽マーケティング/配信登録メールをワンクリックで配信停止できるようにする―の各点への対応も求められる。注意したいのは、5000件の中にサブドメインも含まれることだ。
4月からはSPF、DKIM、DMARCに対応していないメールが、6月からはワンクリック配信停止を施していないメールが徐々に届かなくなっているとされる。
NRIセキュアテクノロジーズのクラウドセキュリティ事業部の斉藤弘之・グループマネージャーは「SPF、DKIM、DMARCの三つの送信ドメイン認証技術に対応しなければならないことが、ガイドラインの大きなポイントだ」と述べる。ワンクリック配信停止についても「ガイドラインで強く書かれているため、強制力が高くなっていく可能性がある」との見解を示す。
- 複雑なDMARCの運用
- メール配信システムもガイドライン準拠
- ワンクリック配信停止の実装が必須に
- 米Yahoo!、米Appleもガイドラインを強化
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