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柔軟なITインフラ提案で成長描く デル、HPEのパートナー戦略

2024/04/18 09:00

週刊BCN 2024年04月15日vol.2010掲載

 ITインフラ市場で、外資メーカーがパートナー戦略を強化している。デル・テクノロジーズは、生成AIへの活用などを見越してコアビジネスであるサーバーとストレージの販売で新規顧客の獲得を推進。日本ヒューレット・パッカード(HPE)は、従量課金制の製品を軸に拡販を進め、オンプレミスも含めた一体的な管理運用を提案している。両社ともに、割合が高まる見込みのas a Service形態での提供を注力分野に挙げる。国内での成長に向けてどのようにパートナー向けの支援を拡充しているのか、最新の取り組みをまとめた。
(取材・文/堀 茜)
 

デル・テクノロジーズ
ストレージは直販を原則禁止

 サーバー、ストレージ、PCの販売を主力とするデル・テクノロジーズは2023年8月、ストレージ製品の販売パートナー向けの方針として「Partner First Strategy for Storage」を打ち出した。日本市場におけるストレージの間接販売比率は8割強と既に高い水準だが、それをより強化し、グローバルで調達方法を統一しているなどの事情がある一部顧客を除いて、99%を間接販売とする考えだ。パートナー事業本部長の入澤由典・常務執行役員は「当社の営業に対して、直販は禁止するという強いメッセージを出した。当社がより間接販売を重視するという姿勢に、パートナーからは好感を持っていただいている」と語る。特に注力するのが、新規顧客の獲得だ。パートナーが新規顧客に販売した場合のインセンティブを引き上げ、販売増につなげている。
 
デル・テクノロジーズ 入澤由典 常務執行役員

 また、今後の成長領域として位置付けるビジネスの中でも、特にAI、マルチクラウド、エッジコンピューティングの3点に注力する。AI向けのサーバーやストレージは顧客からの要求も強く、必要とされる場所にいかに迅速に製品を届けられるかを重視している。入澤常務は、「メーカーとしていい製品を提供するが、そこにうまく味付けして顧客に届けていただくのはパートナーの重要な役割。パートナーにスキルを身につけてもらい、お客様に提案していただくということに注力している」と述べる。

 また、ディストリビューター経由で在庫製品を購入、販売したパートナーにクーポンを発行し、次回の製品購入時に割引が受けられる支援策「RISE」を、国内でもPCを対象に開始した。約4000社の中堅パートナーにデル・テクノロジーズ製品の拡販を促す施策で、欧州ではサーバーなども対象としている。国内でこの制度を利用したPC販売が伸びており、今後PC以外も制度の対象にすることを検討しているという。日本市場は中堅のパートナー数が多く、RISEによって、取引が休眠していたパートナーの活動が再び活発になれば、ディストリビューターにもメリットがあるとみており、「パートナーと直接やり取りする接点をつくったことで、当社が発信する情報が届くようになった」(入澤常務)と手応えを感じている。

 PCのみ取り扱っていたパートナーが、顧客からの要望を受けサーバーを販売するなど、幅広いポートフォリオを生かす事例も出ている。「当社の強みを活用していただけるよう、パートナープログラムも分かりやすく整理してきた」として、一層のクロスセルを図っていく。
この記事の続き >>
  • マルチクラウド対応に注力
  • 日本ヒューレット・パッカード 販売から運用まで一体的な支援
  • パッケージ開発で新たな商機も

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