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複合機ベンダーのITソリューション事業 全国の販売網をよりどころに経済圏を構築

2024/04/15 09:00

週刊BCN 2024年04月15日vol.2010掲載

 中小企業向けITソリューション市場で、複合機ベンダーの存在感が増している。全国をカバーする販売網をよりどころにビジネスを伸ばしており、近年では独自商材の拡充も急ピッチで進んでいる。富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)はデジタルワークスペース基盤「FUJIFILM IWpro」を軸にさまざまな他社SaaSアプリケーション群との連携を推進。リコーは業務アプリ基盤「RICOH Smart Integration」をプラットフォームとして「RICOH kintone plus」などの連携アプリを整備。両ベンダーともに社内外のIT商材を組み合わせた経済圏を構築している。
(取材・文/安藤章司)
 

IWpro軸に他社アプリと連携強化

 富士フイルムBIは、独自のITソリューション商材を開発しつつ、同時に全国に販売網を持つグループ販社の富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(富士フイルムBIジャパン)が中心となって中小企業の需要に合致したITサービス体系「Bridge DX Library(DX Library)」を整備している。

 ITソリューションを開発するメーカー的な役割を担う富士フイルムBIは、2023年11月に中小企業の業務プロセスを可視化するワークスペース基盤「FUJIFILM IWpro」を投入。同年6月には中小企業向けITサポートサービス「IT Expert Services」を始めている。

 IWproは、中小企業が使っている基幹システムやワークフロー、電子署名、オンラインストレージ、複合機などで扱うドキュメントやファイルを処理できるワークスペースを提供するクラウドサービス。すでに主要な業務ソフトやオンラインストレージ、ワークフローなどの15種類のアプリやSaaSと連携。今後もIWpro対応アプリを増やして利便性を高め、27年度までに国内1万社への納入を目指す。
 
富士フイルムBI 瀧澤 基 部長

 富士フイルムBIの瀧澤基・ビジネスソリューション事業本部マーケティング部部長は「手頃で使い勝手のよいSaaSが増えたことで、中小規模の事業所でも平均すると7、8種類のSaaSを使っている」とし、今後もSaaS利用は増えるとみている。

 SaaSや業務アプリのデータやドキュメントをIWproのワークスペース上に吸い上げ、会社全体の業務を見やすく整理し、無駄のない業務フローの実現を促すとともに、ドキュメントに強い複合機ベンダーとしての長所を生かすプラットフォームとして機能させる考え。SaaSベンダーから見た際に、IWproに対応することでDX Libraryのメニュー体系に組み込まれ、中小企業ユーザーへの販売につながるメリットを享受できると考えてもらえるようにする方針だ。
 
 
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  • バックエンド領域への進出に弾み
  • 直近9カ月で約6万5000本を販売
  • パートナーとともに企画・販売
  • キヤノンMJ 中小から大手ユーザー企業までカバー

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