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【紙面で振り返る2023年】世界に吹いた生成AI旋風 ITベンダーのビジネスにも新たな潮流

2023/12/18 09:00

週刊BCN 2023年12月18日vol.1996掲載

 2022年に登場した「ChatGPT」で、世界中が生成AIの話題で一色となった23年。ITによって人々の生活やビジネスに想像以上の大きな変化が訪れることを予感させる1年となった。コロナ禍を経て経済活動が再始動した国内市場では、企業の情報システムに新たなデジタル技術の実装が進み、データ活用やAI導入の事例は増え続けている。“テクノロジーの指南役”としての期待が寄せられるITベンダーのビジネスは、どのように変わろうとしているのか。「週刊BCN」の紙面を通じて1年を振り返る。
(構成/大畑直悠、日高 彰、堀 茜、藤岡 堯、岩田晃久)
 

Review 1
生成AIが話題を席巻

 22年11月に米OpenAI(オープンエーアイ)が「ChatGPT」を発表したことを皮切りに、23年のIT業界では生成AI関連の発表が相次ぎ、1年を通して話題を席巻した。各社が生成AI関連の取り組みを加速させる中、市場では基盤モデルの構築に欠かせないGPUの需要が高まり、国際的な争奪戦が生まれた。
 
9月18・25日・1985号掲載

 9月18・25日・1985号の「需要が過熱するNVIDIA GPU 国内にも押し寄せる『AI用ITインフラ』の波」では、AI向けGPU最大手の米NVIDIA(エヌビディア)の製品を扱う各企業が、AIブームの波をいかにビジネス拡大につなげるかを報じた。ディストリビューターのマクニカは、エヌビディアの開発環境上でAIソリューションを検証できるプログラムを提供し、販売パートナーを支援する。政府もコンピューティングリソースの確保に動き出し、経済産業省の助成を受けたさくらインターネットは、大規模GPUクラウド基盤の整備を進めた。

 大手ITインフラベンダー各社も、年次イベントで生成AIの活用を後押しする姿勢を鮮明にした。9月11日・1984号「ITインフラ事業成長のかぎは『AI』が握る 米VMwareがラスベガスで年次イベントを開催」では、米VMware(ヴイエムウェア)が掲げる戦略として、AIの開発・運用に用いるプライベートなITインフラの提供に力を入れる考えをレポートした。プライバシーやコンプライアンスの要件を企業が自らコントロールできる環境を提供し、生成AIの活用を加速させる。

 業界に特化し、専門性の高い業務でのAI活用を目指す動きも生まれた。10月16日・1988号「リーガルテック市場に拡大の兆しあり AI活用で加速する法務DX」では、弁護士ドットコムが取り組む、法務に特化したバーティカル大規模言語モデルを開発する「リーガルブレイン構想」を伝えた。弁護士や企業の法務部門の業務効率化に活用する。

 23年のIT市場で最大のトピックとなった生成AIだが、単なるブームとして終わらせることなく、ユーザー企業の課題解決によりフォーカスした製品やサービスを創出できるかが今後問われることになる。
 
 
この記事の続き >>
  • Review 2 データ連携・活用の動きが進む
  • Review 3 地域の特性を生かしたDXが加速

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