Special Feature

「共創型イベント」が果たす役割とは CEATEC、MOBILITY SHOWが示唆する新たな展示会像

2023/12/04 09:00

週刊BCN 2023年12月04日vol.1994掲載

 IT・エレクトロニクス産業の業界団体である電子情報技術産業協会(JEITA)が開催した「CEATEC 2023」と、自動車産業の業界団体である日本自動車工業会(自工会)による「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」は、いずれも業界の枠を越えた「共創」が主要なテーマとなった。それは、コロナ禍を経て変貌を遂げる展示会のあり方を示している。二つの展示会を通じて、今後の産業活性化のかぎを握るであろう「共創型イベント」の役割を探った。
(取材・文/大河原克行  編集/藤岡 堯)
 

 10月17~20日までの4日間、千葉市の幕張メッセで開催されたCEATECは、4年ぶりに、リアル会場での展示とコンファレンスを同時に実施した。「デジタルイノベーションの総合展示会」というメッセージを初めて打ち出し、前年を120社以上も上回る684社・団体が出展。会期中には8万9047人が来場した。

 JEITAの会長を務める日立製作所の小島啓二社長兼CEOは、「CEATEC 2023では、社会全体のDXのあり方や未来の暮らし、それを支えるテクノロジーなどを共創の観点から紹介した。新たな連携やアイデアを生む場となり、社会課題の解決につながる機会になる」と語った。

 開催前日に行われたオープニングレセプションでは、岸田文雄首相が登壇。政財界や在日大使館関係者など約700人を前に、「今年のCEATECは『次世代』を見据えて、グリーン、デジタル、スーパーシティなどに関する次世代技術やサービスが展示されている。また、ウクライナの企業も初めて出展する。国境の枠にとらわれず、ともに未来を創るイベントになることを期待している」と発言。CEATECが未来に向けた共創のためのイベントであるとのメッセージを感じさせるあいさつとなった。
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