Special Feature
軸足はクラウド、AIへ コト売りへと進化するマイクロソフトのパートナープログラム
2023/09/11 09:00
週刊BCN 2023年09月11日vol.1984掲載
(取材・文/石田仁志 編集/藤岡 堯)
4段階のピラミッド構造 上位階層でサポートも手厚く
マイクロソフトは従来、パートナーのビジネスを支援するためのプログラムをグローバルで実施してきた。国内でも多くのITサービス系企業が、プログラムを活用してビジネスを展開している。プログラムのメンバーシップはピラミッド型の複数階層で構成され(図参照)、それぞれの段階に応じて「販売連携」「製品ライセンスの利用特典」「技術スキル取得支援」「インセンティブ」といったサポートが提供される。
ピラミッドを登るにつれて提供される特典も増えていくが、パートナー自身のケイパビリティも高いレベルが要求されるようになる。上の階層はカテゴリー分けされ、要件を満たすと認証を獲得でき、自社のビジネスを優位に展開可能になるという建付けだ。
MAICPPに加入する際には、「ネットワークメンバー」からスタートする。次にマイクロソフト製品ライセンスや技術サポートを必要に応じてサブスク型で安く購入でき、マイクロソフトパートナーとしてのロゴも使用できる「アクションパック」という階層が用意されている。
その上の階層が「ソリューションパートナー」である。ここからは、パートナーが自らのノウハウやスキル、専門性などの特徴を明確にできる「認定制度」となり、技術と実績がないと到達できない。MPN時代は「コンピテンシー」という名称で、製品をベースに19種類のカテゴリーに分けられていたが、MCPPへのリニューアル後は領域が集約され、「Infrastructure(Azure)」「Data & AI(Azure)」「Digital & App Innovation(Azure)」「Modern Work」「Security」「Business Applications」という六つのソリューション分野で展開されている。
ソリューションパートナー認定は、従来のコンピテンシーと取得要件も変わった。具体的には、「パフォーマンス」(顧客の純増数)と「スキル」(スキルアップとトレーニング状況、資格取得ポイント)、「カスタマーサクセス」(組織内での使用量の伸びと成功した展開数)によって評価されるスコアを、合計100点満点中70点以上獲得しなければならない。スコアは毎月更新され、年に一度の更新タイミングで70点未満の場合、認定取り消しという厳しい評価体系となっている。
そして最上位に、ソリューションパートナーの中でより高度な専門知識と実績があることを認定する「Specialization」(旧Advanced Specialization)と、最も優れたクラウドサービスプロバイダーに認定される「Azure Expert Managed Service Provider(MSP)」という二つの認定が用意されている。
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