Special Feature

ニュータニックスが見せたシンプリシティの追求 3年ぶりの対面グローバルイベントを開催

2023/06/15 09:00

週刊BCN 2023年06月12日vol.1972掲載

【米シカゴ発】米Nutanix(ニュータニックス)は5月9・10日(米国時間)の2日間、米シカゴで、年次カンファレンス「.NEXT 2023」を3年ぶりに対面で開催した。テーマは「Run Everywhere. It's simply what we do.(あらゆるアプリケーションをあらゆる場所で稼働させる。それもシンプルなやり方で)」。近年同社が繰り返し伝えてきた「あらゆる場所」「シンプル」といったメッセージをあらためてキーワードに据え、クラウドの複雑さを解消することを自社の使命としていることを再度宣言したかたちだ。本稿では現地での取材をもとに、同社が描く「シンプルな世界」へのロードマップと戦略を俯瞰する。
(取材・文/五味明子  編集/日高 彰)
 

.NEXT 2023での主要な発表内容

Nutanix Central
ハイブリッドマルチクラウド環境を一元管理する新たなクラウドサービス。さまざまなロケーションで運用されているNutanixクラスターを、単一のコンソールから一元管理するグローバルコントロールプレーンとして機能する。ライセンス管理も一元化できる。既存のローカルコントロールプレーンである「Nutanix Prism」を補完するソリューション。当初はSaaSでの提供だが、近い将来にKubernetesやオンプレミスもサポートする予定。

Nutanix Multicloud Snapshot Technology
「Nutanix Objects」「Amazon S3」「Azure Blobs」といったオブジェクトストレージにスナップショットを直接書き込むことが可能に(S3およびS3互換ストレージからサポート開始)。また、保存されたスナップショットから任意のNutanix環境への復元もできるようになり、被災時などにおけるディザスタリカバリーを容易に実現。

Nutanix Data Service for Kubernetes
Kubernetes上のステートフルコンテナに、データ保護やモビリティ、ポリシーベースの制御といった「Nutanix AOS」の機能を提供。開発者は使い慣れたKubernetesコマンドやAPIから、インフラ管理者は使い慣れたPrism Centralから操作が可能。OpenShiftおよびNutanix Kubernetes Engineからサポート開始。

Snowflakeとの連携強化
データをクラウドに移行しなくても、Snowflakeの分析サービス(外部テーブル)が実行できるようになり、ペタバイト級のデータに対しても高速なクエリー実行が可能に。また、地理的に分散したストレージ(Nutanix Objects)でも単一のグローバル名前空間でアクセス可能にすることで、データのサイロ化を防ぐ。

Project Beacon
製品/サービスではなく、「真のハイブリッドマルチクラウド」の実現に向けて発表した中長期のPaaSビジョン。アプリケーションだけでなく、アプリケーション実行に欠かせない存在であるデータベースのインフラ間のシームレスな移行をめざす。コントロールプレーンはニュータニックスがクラウドサービスとして提供するが、Nutanix Cloud Clusters(NC2)を必要とせず、EC2やAzure Virtual Machineといった環境でネイティブに動作する。プロジェクト期間は2年ほどを予定しており、当初はNutanix Database Service(NDB)のサポートから開始する。
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