Special Feature

NVIDIAと三井物産のスパコンプロジェクト 国内でデータ駆動型創薬を実現させる

2023/05/01 09:00

週刊BCN 2023年05月01日vol.1967掲載

 米NVIDIA(エヌビディア)は、同社の年次カンファレンス「GTC 2023」(3月21日~3月24日)で、国内の製薬業界を対象に、AIとハイパフォーマンスコンピューティングの活用を推進する方針を打ち出した。三井物産との協業で開発したスーパーコンピューター「Tokyo-1」を軸にしたプロジェクトで、“データ駆動型創薬”の実現を狙う。
(取材・文/五味明子  編集/齋藤秀平)
 

ヘルスケアの膨大なデータに着目

 エヌビディアと聞くと「NVIDIA GeForce」などに代表されるゲーミングPC用GPUやコンピュータグラフィックスのイメージが非常に強いが、ここ10年ほどは、GPUとAIで培ってきた技術力と知見をベースに、ヘルスケアや物流、小売り、製造業など、エンタープライズのさまざまな業界に向けて多くのソリューションを提供している。

 同社がヘルスケアに注力する理由は、あらゆる産業の中で、とりわけ膨大な量のデータを扱うからだ。特に深層学習を基にしたモデル構築には莫大なリソースが必要となる。現在、同社のヘルスケア事業は「NVIDIA Clara」というブランドの下、大きく「医療機器」「医用画像」「創薬」「ゲノミクス」の4分野でデータやワークロードに最適化したAIプラットフォームや開発キットを提供している。

 例えば、CTや内視鏡といったGPUが搭載された医療機器向けには、Software-Definedで、かつニアリアルタイムな画像処理が可能な「Clara Holoscan」を用意。ゲノミクス向けでは、シーケンサーから読み取った大量の配列をGPUとディープラーニングで超高速に解析する「Clara Parabricks」がある。

 同社は、開発ツールの多くをオープンソースで構築・提供しているが、医療用画像処理をAIで高速化するアプリケーションフレームワーク「MONAI」もオープンソースで提供しており、現在は画像処理研究におけるスタンダードとして広く使われている。
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