Special Feature

「CLM」で変わる契約業務 契約プロセス全体のワークフローを効率化

2023/04/20 09:00

週刊BCN 2023年04月17日vol.1965掲載

 テレワークの普及を機に、国内でも電子契約の必要性や利便性への認知が高まった。コロナ禍が収束しつつある現在でも、法改正によって電子契約を利用できる業務が増加したことで、市場は成長を続けている。

 その一方で、単に契約の締結を電子化するだけでなく、契約業務のプロセス全体を見直し、業務効率化を図ろうとする動きが加速しており、契約前後のプロセスも含めたワークフローを提供する「CLM(Contract Lifecycle Management、契約ライフサイクル管理)」への注目が集まっている。CLMを提供する各ベンダーは、他サービスとの連携によって機能強化を図るとともに、SIパートナーの獲得を進め、普及を促進する構えだ。
(取材・文/大畑直悠)
 

複数部門のワークフローを統合

 CLMとは、契約書の「作成」に加え、「交渉」「署名・捺印」「保管」「検索・分析」「更新」といったプロセスを統合することで、契約業務の大部分を自動化し、複雑なプロセスを一元管理できるようにするソリューションを指す。加えて、紙で締結された契約書と電子契約書が混在する状況を避けるために、文書管理プラットフォームの役割も提供する。

 CLMでは、社内の複数の部門を巻き込んだワークフローを構築することがポイントとなっている。例えば契約書の作成時、法務部や営業部といった関係部門が共同編集できるコラボレーション機能や、承認ワークフローを提供することで、プロセスが部門ごとに分断されていることで発生する手間の解消につなげる。グローバルなサプライチェーンを持つ大企業など、日常的に大量の契約書を処理する必要がある企業を中心に、CLMの導入によって、全社的なワークフローの見直しを図る動きが活発化している。

 現在、米国を中心に急成長を遂げており、米調査会社IMARC Groupが2022年11月に発行したレポートによれば、CLMのグローバルの市場規模は22年に19億米ドルであり、28年には37億米ドルに達すると予測されている。

 CLMを提供する各ベンダーは、顧客管理システムや基幹業務システムとの連携を進めることにより、データ連携やワークフローの統合を可能にし、全社的なDX推進の一部として契約業務を効率化しようとする提案に力を入れている。加えて、業界ごとに特化したシステムを持つ企業とのアライアンスを進めることで市場の拡大を目指している。
この記事の続き >>
  • ドキュサイン・ジャパン 電子署名前後のプロセス改善にニーズ
  • 弁護士ドットコム 多彩なサービスとの連携を提供
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